359:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 23:40:48.63 ID:ckQ0GSngo
「絶零の吐息……」
(寒ーい……)
「頑張ってね、グリフォン」
「ミャ」
二月は一年の中でも特に寒く、そして大気も澄んでいた。
女子寮の屋上へ天体望遠鏡を据え付け、厚手の布を下に敷く。
水筒から注いだ紅茶を飲みつつ、瞬く星をそっと眺める。
「お引っ越しの準備、進んでる?」
「うむ。しかし、エントロピーの増大には抗い辛く……」
(うん。でも荷物がいっぱいで……)
「フフッ、それは熱力学でしょ」
去年の暮れ、アーニャは一足早く一人暮らしを始めていた。
二人同時に引き払えば慌ただしくなる故の配慮だ。
「綺麗だね」
「うん」
「ニャン」
「さぁ、火星はどれでしょう」
「今夜は見えないよ」
「……残念。大正解」
「へへー。星もロシア語も勉強したもんね」
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