363:名無しNIPPER[saga]
2016/12/25(日) 00:02:18.50 ID:WZRWBcW7o
「へぅっ!? アーニャ……ちゃニャ、ニャっ!?」
「ニャー」
「……フフッ。知ってる限りの日本語で愛を囁いてね」
「……! ……っ!」
「でも、ダメだった。あ、安心して? これがやめる理由じゃないから」
「……ならばっ、何故っ!」
「飛鳥のくれた曲、凄かった。それで、私も気付いちゃったんだ」
百面相を続ける蘭子の顔面へグリフォンを押し付ける。
早速の出番にやや不服そうな表情を返したグリフォンは、それでも黙っていた。
蘭子が数度深呼吸をし、少しだけ咽せ、平静の心拍を取り戻す。
「凛に怒られたの。好きなら好きだって、そう言えって」
「……アーニャちゃん」
「言って良かった。凛にもお礼を言わなくちゃ、ね」
アーニャの手が鏡筒を撫でる。
冬風に晒された表面はとびきり冷たかった。
「私、先生になりたい」
アーニャが天を仰ぐ。
ロシアや北海道よりも暗い空を、それでも眩しそうに見つめた。
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