398:名無しNIPPER[saga]
2016/12/25(日) 23:29:50.12 ID:WZRWBcW7o
「……」
「ニャー。ニャ、ニャウッ」
普段の寡黙さを忘れたように、グリフォンが何度も鳴いた。
会場中の誰もが呆気に取られている。
その中で、蘭子と、アーニャと、茄子と。それから雪美と聖とペロだけが、固唾を呑んでいた。
「ミー、ミー、ナォ――」
「……」
「――ニャア」
時間にして一分ほどのスピーチが終わった。
再び顔を洗うと、軽やかな足取りで蘭子の下へ戻ってゆく。
わんわんと泣き出した蘭子に抱えられたグリフォンへ、アーニャ達が大きな拍手を贈った。
少しずつ少しずつ、釣られたように拍手が大きさを増していく。
『……ぐすっ。す、すみません……最近、涙脆くなっちゃって』
洟を啜る茄子が落ち着きを取り戻すまで、しばらくの時間が必要だった。
ようやく平静を取り戻し、茄子は一つ咳払いをした。
『こほんっ。それでは続きまして、元ご同僚の高垣楓様によるスベ――』
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