過去ログ - 神崎蘭子「大好きっ!!」
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63:名無しNIPPER[saga]
2016/09/25(日) 14:23:54.38 ID:ytg9Jgyvo

 【14歳 / 春】


 「はぁ……ふぅっ……」


東京へ来て四ヶ月が経った。
今日も今日とてダンスレッスン。アイドルへの道は険しいのだ。
だが、蘭子は弱音を吐いたりしない。
それが運命に導かれし者の業だと、彼女はニヒルに(傍目からは実に可愛らしく)笑う。

 「お疲れ様です、蘭子ちゃん」

 「闇に飲まれよっ!」
 (お疲れ様ですっ!)

差し出されたタオルを受け取り、蘭子が満面の笑みを浮かべる。
彼は反対に、少し寂しげな笑みを浮かべた。

 「良いニュースがありますよ、蘭子ちゃん」

 「ほう! 福音が訪れたか!」
 (わぁ! 何ですかっ?)

 「蘭子ちゃんへ正式にプロデューサーが付く事になりました」

 「…………えっ?」


笑顔を浮かべたままの蘭子の手から、タオルが床へ滑り落ちた。



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