9: ◆XRfrZgs14Q[saga]
2016/08/28(日) 02:52:24.98 ID:BRDevDFC0
昼下がりの閑散とした公園のベンチに二人は腰掛けた。もうすぐ初夏が来るというのに、この公園には木枯らしでも吹くのではないかという雰囲気が漂っている。
男「相変わらずの雰囲気だなこの公園は」
女「幽霊公園。あながち間違ってなさそうだね」
男「お前、詳しいな、なんで知ってんの」
女「まぁ、全知全能の神だから」
男「しばくぞ」
女は上を見上げた。
それにつられて男も視線を空にやった。人間の心が燻んでいても空は青く、雲は白い。そして太陽はいつでも世界を照らす。まるで空の世界はどれほど時が経っても変わらず居られるかのようだ。人間の世界は、絆の世界は、脆いのに。男は呆然としながらそんなことを考えていた。
女がぽつりと言う。
女「君は、太陽。私は街」
男「はぁ? ポエマーかな」
女「なんでもない。ところで君は、死にたいと思ったことある?」
男「そんなの……。お前に教える義理はないな」
女「そっか。私はあったよ昔。本気で死にたかった」
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