過去ログ - 鷺沢文香「読み終えたら、またここに来てください」
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13: ◆.qG5SOGbi.
2016/08/28(日) 22:38:23.04 ID:3ZgXLCZE0
この店はいつも静かだ。
店長さんも鷺沢さんも寡黙だし、ここに出入りする人も数少ない常連さんばかりだから、
そもそも店内で会話が発生すること自体あまりないのだそうだ。
音楽をかけているわけでもないから、店内に響くのは呼鈴と足音くらいのものだ。
だからその日は、店内に話し声が漂っていることに対して、違和感を覚えたのである。
以下略



14: ◆.qG5SOGbi.
2016/08/29(月) 00:16:11.41 ID:Qm7Bl8Xd0
「…いらっしゃいませ」

「……こんにちは。本、読みました」

「…いかがでしたか?」
以下略



15: ◆.qG5SOGbi.
2016/08/29(月) 00:22:39.56 ID:Qm7Bl8Xd0
すみません明日早いので寝ます
明日明後日も忙しいので更新できないかもです


16:名無しNIPPER[sage]
2016/08/29(月) 22:08:05.99 ID:I24NNKJZo
乙乙


17: ◆.qG5SOGbi.
2016/08/31(水) 02:11:05.56 ID:KGHqk2sg0
「……どうか、しましたか?」

気づけば、鷺沢さんが僕の顔を覗き込むようにこちらを見つめていた。
あまりにも真っすぐと見つめられ、思わず視線を外してしまう。
鷺沢さんはそんな僕を不思議そうにし見続けていたが、
以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2016/08/31(水) 02:13:18.88 ID:QrFIjVLC0
これはすばらしいけどキツイ話になる予感


19: ◆.qG5SOGbi.
2016/08/31(水) 02:27:41.65 ID:KGHqk2sg0
そして、全ての本が語り終えられる。
その中から僕が選んだのは、ある少年の初恋の話だった。

「……これ、ください」

以下略



20: ◆.qG5SOGbi.
2016/08/31(水) 02:28:23.70 ID:KGHqk2sg0
「……あの」

「……はい」

「……さっきの人、誰だったんですか?」
以下略



21: ◆.qG5SOGbi.
2016/08/31(水) 03:27:40.44 ID:KGHqk2sg0
「……アイドルの、プロデューサーさんなのだそうです」

「えっ」

斜め上の正体に、思わず面食らう。
以下略



22: ◆.qG5SOGbi.
2016/08/31(水) 03:48:43.68 ID:KGHqk2sg0
「……嫌です」

「……えっ?」

「鷺沢さんがアイドルになるの、嫌です」
以下略



23: ◆.qG5SOGbi.
2016/08/31(水) 04:18:13.97 ID:KGHqk2sg0
家に帰ると、すぐにソファーにもたれこんだ。
体をうつぶせにしながら、鉛色の脳細胞で思考を巡らせる。
ソファーの柔らかさとそれにつられて出てきた眠気が、却って僕の頭を冷静にさせた。

鷺沢さんのことについて、僕がどうこう言えたことではない。あの人は大人なのだ。
以下略



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