過去ログ - 【FGO】うりぼう日記【カルデアヒートオデッセイ】
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2:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:15:34.52 ID:GOw0YYf1o
一週目

魔猪により苦しめられていた我らうりぼう族を救済した偉大なる“九人の女神”……いや、うりぼう達を主食とする暴虐の魔王と伝えられてきた女神様を含め、改められた“十人の女神”の方達は、それらを指揮する最高神様と洞窟に眠られていた雷電の大魔術師様と一緒にこの島を出発なされました。僕を含めたすべてのうりぼう達は、惜別と感謝の気持ちで胸溢れさせながらその姿が見えなくなるまでお見送りしました。

次の日、残ったうりぼう達から構成された議会では、女神様達がこの島に御出でなさった日と御発ちになった日を祝日とすることが満場一致で決定されました。
以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:16:27.22 ID:GOw0YYf1o
当然に長の仕事も大量となり、長は目が回るような忙しさとなりました。しかし長はそれらの仕事に辛い様子も見せず、むしろ心の底から嬉しそうに仕事をこなしていました。

「わしが幼き頃から聞かされてきた伝説の女神様にお会いすることができ、このような記念事業にも立ち会うことが出来るとは、わしはなんと幸福なうりぼうなんじゃろうなあ。」

元々細い目を更に細めながら、長は事あるごとにそう言うのでした。
以下略



4:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:16:57.02 ID:GOw0YYf1o
二週目

女神像建設は急ピッチで、かつ順調に進められています。今まで崇められていた“九人の女神”。それぞれ守護の女神、知識と呪印の女神、慈愛の女神、飽食の女神、鉄腕の女神、熱情の女神、屈折の女神、比翼の女神と連理の女神に、邪知暴虐の魔王とされていた女神を加え合わせて十柱の女神様達。
最高神様の像も作ろうと考えていましたが「結構です!」と、直々に偶像崇拝を禁止なされたので、その分よりいっそうの力が女神像建設に注がれます。


5:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:17:26.36 ID:GOw0YYf1o
それぞれの特徴をダイナミックに表し、かつ細部にこだわりながらも女神達の神聖さを損なわず表現し切るため、うりぼう族の持てる総力が費やされています。
デザイン班は3DCGデータによりポーズから表情まで完璧に再現したデザインを作成。建設班は像の素材となる合金の準備を。設計班は3DCADによる作業工程の制作などを各自順調に進めています。3Dプリンターによる作成なので早ければ来週には女神像建設が完了するとか。まったくもって喜ばしいことであります。

そういえば最近、長の様子が少しおかしいとの噂がありました。何でも少し前に話したことでもすぐに忘れてしまうのだとか。長ももうかなりのご高翌齢。魔猪との対立から解放され気が緩んでしまったのかもしれませんね。

以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:17:54.17 ID:GOw0YYf1o
三週目

女神像がついに完成しました!美しく、気高く、神々しく、女神たちの魅力すべてを余すところなく表現した力作です。落成式は盛大に行われ、島はまたもお祭り騒ぎです。島中すべてのうりぼうは女神に感謝の祈りを捧げ崇め奉りました。

この所調子の悪かった長も落成式では女神像完成を祝い、喜びに打ち震えていました。
以下略



7:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:18:23.43 ID:GOw0YYf1o
四週目

祭りが終わった後、長の状態はさらに悪化していきました。段々と言葉や道具の意味やその使い方を忘れていったのです。また元々の老齢もあってか体調も優れず、横になっていることが多くなりました。しかしそれでも、日課としている女神像への献花だけは続けています。

ただ問題は長一匹に収まるものではありませんでした。長の症状と同じ物忘れが、今度は島の中心近くに住む若いうりぼうたちにも出始めたらしいのです。ここに来て議会はこの症状の原因を探るべく調査団を結成し、日夜原因の究明に努めています。
以下略



8:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:18:50.42 ID:GOw0YYf1o
五週目

うりぼう族を襲う未知の忘却の病。調査団はこれを“アムネジアシンドローム”と呼ぶことを正式決定しました。アムネジアシンドロームの被害はさらに広がっていき、約半分のうりぼう族が、程度の差はあれ罹患していると発表されました。
しかし調査の結果分かったこともありました。それは患者達の共通点です。まず一つは思考能力が高くないものから罹患していくということ。そのためまだ幼い子どもや長のような高翌齢の者達に症状が出やすいということでした。


9:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:19:20.36 ID:GOw0YYf1o
もう一つは地理的要因。患者のほとんどは島の中心部に住んでいたうりぼう達でした。即ちそれは、この病の原因が島の中心部にあるのではないかという推測に繋がります。調査団は有志を募り、島の中心部の探索班を結成するようです。この探索で、アムネジアシンドロームの治療法が見つかればいいのですが……。

ああ、尊き我らが女神様。探索班にどうか祝福を……。


10:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:19:48.05 ID:GOw0YYf1o
六週目

何故……何故女神様はこのようなことをしたのでしょうか……。
有志による探索が行われました。探索の様子は中継され、島中のうりぼう達はその様子を固唾を呑んで見守りました。そしてある程度時間が経った時に、“ソレ”を見つけてしまいました。
それは島の中心にあるトネリコの大樹に刻まれた呪印でした。その呪印は、我々うりぼう族の文化の発展に特に寄与したとされる、知識と呪印の女神のものによく似ていました。探索班のうりぼう達は女神のものとされる呪印に礼を捧げ、その呪印の調査に取り掛かろうとしたその時でした。
以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:20:15.58 ID:GOw0YYf1o
そのうりぼうは、失っていました。探索班に志願した熱意も、仲間と築いてきた絆も、想いを表すための言葉も。うりぼう族を発展させてきた、知性すべてを失っていたのです。
阿鼻叫喚。探索班も、中継を見ていたうりぼう達も。すべてのうりぼう族がそのような状態だったようです。僕ももちろんそうでした。
だって当然です。呪印に触れて知性を失ったうりぼうを見れば理解できてしまうことでしたから。アムネジアシンドロームの原因はまず間違いなくあの呪印。そしてあの呪印はおそらくは女神様によるもの。

つまりこの病を引き起こしたのは、他ならぬ我らが信仰していた女神様だということになるのですから。
以下略



12:名無しNIPPER[sage]
2016/08/28(日) 19:20:42.35 ID:GOw0YYf1o
七週目

アムネジアシンドロームを引き起こしたのは女神様だった。これを受けて議会は大荒れとなりました。議員達が女神肯定派と女神否定派に分裂したのです。
女神肯定派は、我々に知性をもたらした女神がその知性を失うことを望むのなら、それを受け入れようと述べました。
女神否定派は、如何に我々に知性を与えた女神だとしてもその知性を奪う権利など持つはずがないとして、アムネジアシンドロームの打破を掲げました。


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