過去ログ - 菊地真「ボクが髪を切った理由(ワケ)」
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13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:34:13.15 ID:GP3jamNW0

「……ねー、真」

「……何さ」

以下略



14: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:37:30.68 ID:GP3jamNW0

「……ホントに、大した理由じゃないんだよ。
 ただ、満足しちゃったと言うか、なんていうか」

「満足って、何に?」
以下略



15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:41:25.21 ID:GP3jamNW0

「いや、その、失恋って言っても、
 今の話じゃないんだよ。結構、昔のことで」

「昔のこと?」
以下略



16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:42:50.03 ID:GP3jamNW0

 突然、思いもよらない場所から、ポーズ付きで掘り返されたボクの黒歴史。
 恥ずかしさで耳が赤くなるのを感じながら、ボクは律子に言い返す。

「さ、流石は律子。今からでも、現役復帰できるんじゃない?」
以下略



17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:46:47.14 ID:GP3jamNW0

 けれども、その後もボクはプロデューサーの提案を断り続けた。
 そりゃあ確かに、「女の子らしさ」に魅力を感じなかったって言うと嘘になる。


以下略



18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:50:08.76 ID:GP3jamNW0

「ズバリ、思春期真っ盛りな真が感じてた「女の子らしさ」とは、
 好きな相手との共通点を維持すること。
 要は、プロデューサー殿との間に、自分なりの秘密の接点を見つけたワケだ」

以下略



19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:51:37.86 ID:GP3jamNW0

 それが、時に二人の髪の長さであったり、時に食事の好みであったり。
 ボーイッシュだと言われることも、その頃になると逆に嬉しくて。

 だってそうでしょ? 
以下略



20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:53:25.15 ID:GP3jamNW0

「……でも結局、ボクとプロデューサーの仲はそれ以上先には進まなかった」

「まぁ、思わぬ伏兵が潜んでたものね」

以下略



21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:55:01.49 ID:GP3jamNW0

「でも、それって真が髪を伸ばし始めた理由でしょ? 確か、あの一件から」

「ん、あの一件から伸ばし始めたね」

以下略



22: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:56:23.45 ID:GP3jamNW0

「と、止めて止めて! 言う、言うから! 
 このままじゃ別のものを吐いちゃうよ!」


以下略



23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:57:50.16 ID:GP3jamNW0

「……これはさ、ケジメなんだ」

「ケジメ?」

以下略



24: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 19:59:25.18 ID:GP3jamNW0

 ボクはそこまで言い終わると、喋ったことによる喉の渇きを癒そうとして、
 テーブルの上に置いたままだった缶コーヒーへと手を伸ばした。

 だけど、すんでのところでコーヒーは律子によって奪われて。
以下略



25: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 20:01:19.24 ID:GP3jamNW0

「それってアンタが髪を切ったのは、
 新しい恋を見つけたからってことじゃないのっ!?」


以下略



26: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 20:02:37.63 ID:GP3jamNW0
===

 ――失恋したら、髪を切る。

 少女漫画やドラマなんかで知ったその行動は、
以下略



27: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 20:03:57.48 ID:GP3jamNW0

 再び始まった律子との言い争い。

 またまた両者は相打ちになり、息も絶え絶え、
 テーブルの上に突っ伏してたボクに、懐かしい声がかけられる。
以下略



28: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 20:05:25.67 ID:GP3jamNW0

 今だって、あの頃のことは思い出せるし、
 その度にきゅんと切ない気持ちにもなるけれど。

「それにしても、随分と思い切ったな。あれだけ伸ばしてた髪を……」
以下略



29: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/08/29(月) 20:09:24.50 ID:GP3jamNW0

 今日この日、ボクはようやく長年の恋に区切りをつけることができた。
 まさに失恋した女性が、気持ちを切り替えるためにするように、だ。

 ……そしてあの頃のように短くなった髪型には、もう一つの願いも込めてある。
以下略



30: ◆Xz5sQ/W/66[sage]
2016/08/29(月) 20:15:41.50 ID:GP3jamNW0
 真、誕生日おめでとう!……と、いうわけで、これでこのお話はおしまいです。
 
 誕生日だけど何書こう→真が髪を切るとこから始めよう→髪が伸びてるってことは未来の話?
 過去作から設定引っ張ってこよう→勢いで書ききる→今に至る。

以下略



31: ◆Xz5sQ/W/66[sage]
2016/08/29(月) 20:33:21.70 ID:GP3jamNW0
訂正>>24
× だけど、すんでのところでコーヒーは律子によって奪われて。
○ だけど、手に取ろうとした寸前で、コーヒーは律子によって奪われて
>>29
× これからはボク、前を向きに、幸せ目指して一直線です!」
以下略



32:名無しNIPPER[sage]
2016/08/30(火) 00:04:24.37 ID:7qIJzmsVo
乙です


33:名無しNIPPER[sage]
2016/08/31(水) 01:45:55.29 ID:NNy67WLdo



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