過去ログ - 【安価・コンマ】貴方が幻想郷で暮らすんだ!其の伍!【東方】
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959:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:45:49.81 ID:91yn0oDi0
「……またか」

 こんにちは、見慣れた殺風景な部屋と6度目の6月5日12時さん。

 また神大に気付かれるなんて、予想外だった。最初に神大と接触した時、あの時こそ不意打ちすればよかったのだ。今思えば最初で最後のチャンスだったかもしれない。それもこれも、あいつがチャラ男すぎて僕が油断していたせいで、後悔してもしきれない。
以下略



960:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:47:18.68 ID:91yn0oDi0
「……」

 なんだ、これは?

 今は……30回目の6月5日か? いや? まだ20回くらいだろうか? ……50に上っていた気もするが……どうでもいい、どうでも……。
以下略



961:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:48:02.57 ID:91yn0oDi0
ん、さっきから声が漏れていますよー、いるんでしょー?」

 いない、そんな僕を呼ぶ奴なんているはずがない! これはおかしい……こんな時間軸は初めてだということは……神大が何か仕組んでいるということじゃないか!

 いや、今は誰がどう仕組んだか、などどうでもいい。まずはここから脱出しなければ、手遅れになってしまうかもしれない。
以下略



962:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:48:47.73 ID:91yn0oDi0
「……」

 よし、ケガも追手もない。

 アパートからとにかく走り、雑木林の奥にプレハブ小屋があると知っていた、公園に辿り着いていた。
以下略



963:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:49:32.16 ID:91yn0oDi0
どうも僕は、6月5日12時より前の時間軸へは、戻ったことは自覚出来ない。神大は、僕を[ピーーー]のではなく捕まえて、実質世界から追放する気だ……。

「もしかしたら、この時間軸が最後のチャンスかもしれない……!」

 数十回のタイムリープ。まだ永遠と続くように感じていた。でも犯人も、ただ僕に殺されるのを待っているだけのはずがない。
以下略



964:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:50:35.02 ID:91yn0oDi0
「だ、誰だ……?」
「あたしは近藤未姫《こんどう みき》って言います。何してるんスかこんな所で。大の大人が公園で1人遊びッスか? なんか恐い」

 僕が警察から隠れるのに選んだ小屋に、1人の女がやってきた。彼女は、覗き込むようなポーズで自己紹介をする。スカートが短いから、後ろから見たら丸見えだ。

以下略



965:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:51:31.78 ID:91yn0oDi0
「あたし、もう逃げるより隠れてようかと思って。暇になりそうだから丁度よかったッス、信じなくてもいいから聞いてくださいよ〜」

 しかし未姫は、むしろ僕に話しかけてきて、

「あたし、タイムリープって奴に巻き込まれてるんスよねー。あたしの知ってる時間、どっか行っちゃったッス」
以下略



966:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:52:22.12 ID:91yn0oDi0
と、その外国人のような名前の奴は、未姫とテストで競っていて、その途中からタイムリープを使ったということだろう。

「けど、大学の卒業研究……その評価は、あたしの方が上だったんス。すごく嬉しくて踊る程だったんですが……気付いたら、あたしは4浪したニートになってたッス」

 卒業研究は、テストと違って答えがあるわけじゃない。何度タイムリープをしても、ココノエは未姫を超えられず、未姫が大学にいた事実ごと消したということか。入試の書類を届かないように細工でもしたのだろう。
以下略



967:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:54:07.79 ID:91yn0oDi0
あまりに変だなーと思って日付を見ると、微妙に戻ってたんスよね。そうしてこれは、タイムリープ的なやつだなーと思って、ココノエと接触したんです。そんなことをしそうな人、他に心当たりがなかったッスから。
 問い詰めたらあっさり自供……でも、すぐタイムリープしてしまったんス。
 ココノエがあっさり話したのは、あたしが何も出来ないと分かってるからッスねー。で、そのタイムリープから目覚めたら、今度は犯罪者扱いッスよ、参った参った」


968:名無しNIPPER
2017/04/02(日) 07:54:49.75 ID:91yn0oDi0
続ける未姫からは、参った雰囲気など微塵も感じられない。話しながら、んー、と言いながら指をアゴにあてて考えてみたり、にっこり笑ってそれをこっちに向けてみたり。どう見ても、楽しんでいる。

もっとも僕だって、雛子が奪われている状況ではあるのだが、やはり段々と自分が主人公のように感じられてきていて、人のことは言えない。

 それにしてもココノエは、神大のように何十回ものリープの後ではなく、即警察を動かしたのか。神大よりも頭がキレる奴なのか? いや、それにしても……。


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