過去ログ - 麻子さんと世界における普遍的真実【ガルパンSS】
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10:名無しNIPPER[saga]
2016/09/01(木) 22:13:30.60 ID:Q6TLHCto0
自分に甘い人間を基準にするのは危険だと判断したみほは、それならばと対照的に厳しい人間に相談をもちかけることにする。

 「あ、エリ……逸見さん? ちょっと聞きたいことがあるんだけど、私の友達に……」
 
 と説明すると、

『はぁぁ!? あなた、1年ぶりに電話かけてきたと思ったらいきなり聞くことがそれなの!?』

「ご、ごめんなさい! ちょっと急いでて……」

 案の定噛みつくような返事が戻ってきて、みほはスマホの前でペコペコと頭を下げる。

『へぇぇ……大洗の? あなたの”新しい””大事な”友達の? 誕生日を祝いたいからって、わざわざ私にまで頼ってきたわけね?』

「そ、そういうことになる……かな?」

『フンッ、ありがたいわね。”元”副隊長さまが、私の存在を完全に忘れてはいらっしゃらなかったなんて。仮にも長年の間寝食を共にした間柄だものね?』

「あの、逸見さん。お願いだからそれぐらいにして……相談に乗ってもらえないかな……」

『いいけど。一つその前に確かめたいことがあるの』

「え……確かめたいこと?」

『そう。あなた……そんなことを聞いてくるってことは当然、私の誕生日がいつだかも知ってるわけよね?』

「うぇっ……!?」

 思わず言葉に詰まってしまったみほを薄情だと責めることは、どこの誰にもできないであろう。詳細な説明は省くが、現時点で逸見エリカの誕生日を把握している人間は世界のどこにも居ないのだから。

 とはいえ、しばしば感情は理屈を上回る。

『あ、あなたねぇぇ……そんなことも知らない程度の相手に、”大事な”相談持ちかけてくるんじゃないわよッッ!』

 固定電話だったら受話器を叩き割るぐらいの勢いで、電話が切られた。みほの鼓膜がびりびりと震える。


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