過去ログ - 麻子さんと世界における普遍的真実【ガルパンSS】
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9:名無しNIPPER[saga]
2016/09/01(木) 22:10:47.65 ID:Q6TLHCto0
 そうと決まれば電話だ。

「あ、お姉ちゃん? 今いい?」

『ああ、大丈夫だ。どうしたみほ、珍しいな』

「あのね、実は……」

 友達の誕生日に贈るプレゼントで悩んでいるのだと説明する。

「何を贈ったら、喜んでもらえるのかな……私、自信なくて」

『なんだ、そんなことか』

 小さく笑った電話越しの姉の声は、実に頼もしかった。

『何だっていい』

「え……?」

『みほからのプレゼントなら、何だって喜んでもらえるさ』

「そ、そうかな……?」

『私も、全て大切にとってあるぞ。実家の耐熱金庫に厳重に保管してある』

「へ?」

『四歳のときにもらった、アイスのはずれ棒。五歳のときにもらった、蝉の抜け殻。六歳のときのカブトムシの幼虫(のミイラ)。七歳のときのカマキリの卵……』

「ちょ、ちょっとまって」

 混乱したみほは、まだまだ続きそうなまほのセリフを遮る。

「それ……なんのこと?」

『何って、誕生日のプレゼントだよ。みほが私にくれた』

「……」

 全然覚えてない。あと、昆虫関係の割合高すぎである。

『とても嬉しかったな。今でも見返すだけで幸せになる』

 字面だけだと皮肉のようにもとれるので補足すると、まほは全く他意なく本気も本気で言っている。

「あ、あはは……そっか、良かった」

『だから心配せず、おまえが良いと思ったものを贈ればいい。あ、ただカマキリの卵は中身がいなくなったのを確かめてから贈った方がいいぞ。あの時はお母様と菊代さんが半狂乱で』

「う、うんわかった! ありがとうお姉ちゃん!」

 これ以上は聞いても嫌な思い出がよみがえるだけになりそうなので、あわてて切る。
 
 もしかして、お姉ちゃんって……少し、私に甘いんじゃないかな? という疑いを抱きはじめるみほ。
 
 みほには一般的な姉妹の基準がわからないので、単なる推測だが。少なくとも麻子さんは大量のカマキリの幼虫が自分の部屋の隙間という隙間に入り込む事態になっても笑って許してくれることはなさそうな気がするけどうん、もうやめよう。



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