過去ログ - 麻子さんと世界における普遍的真実【ガルパンSS】
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17:名無しNIPPER[saga]
2016/09/02(金) 00:24:13.17 ID:Krk4/ZLO0
「ママ……?」

「はいっ。私、その、あんまり頼りにはならないかもしれないけど……麻子さんが困ったことがあったら、いつでも助けに行きます。寂しいときは、いつでも話し相手になります。辛いときには、いつでもこうやって抱きしめてあげます!……だからええと、その……」

 あまりにも周りの反応が無いので、みほの言葉が尻すぼみになる。

 やっぱりおかしかっただろうか? 私が変なこと言ったから、引かれてしまっているのだろうか? 麻子さんはこんなこと言われて、困ってる……?

「……そうか。私に両親がいないから……西住さんが代わりに家族になってくれるって、ことか」
 
 そっと麻子の手が、みほの肩に添えられた。

「う、うん……パパになるのはさすがに難しいし……じゃなくて。ええと……迷惑だった、かな」

「いいや」

 みほの頬に子猫のように顔を擦り付ける麻子の声は、少しだけ潤んでいた。

「うれしいよ。西住さんはずっと、私の憧れだったから」

「憧れ……?」

「強くて勇敢で、でも優しくて……私に無いもの、欠けているものをいっぱい持っていて……だからこそ、届かないと思ってたから」

「そんなこと。私こそ、いつも麻子さんには勇気をもらってたのに」

 どんな窮地でくじけそうなときでも、私を信頼してくれた。どんな無茶なお願いでも、必ず叶えてくれた。そんな麻子さんが……自分に無いものを持っている麻子さんが、むしろ自分を支えてくれていたのだと、改めて思う。

 お互いに欠けたものを埋め合わせるかのように、二人は強く抱きあう。

「ありがとう、西住さん。プレゼント、遠慮なく貰っておく」

 耳元で囁くように言われ、みほは改めて口を開く。

「……お誕生日おめでとう、麻子さん……!」

 みほが悩みに悩んだかいは、どうやらあったようだった。


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