過去ログ - 麻子さんと世界における普遍的真実【ガルパンSS】
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4:名無しNIPPER[sage]
2016/09/01(木) 21:55:25.75 ID:Q6TLHCto0
◇◇◇

「あの……いつなんですか? 麻子さんの誕生日って」

「9月……1日……」

「えええーっ!? もう2週間も過ぎておりますよぉ!」

「だってだって! 去年までだったら忘れっこなかったんだよ、いつも始業式の後にお祝いしてたんだもん。でも今年はほら……アレだったじゃん?」

「うん、そうだよね……」

 夏休みが終わって二学期が始まるかと思いきや再度の廃校宣言、転校手続きに引っ越し、大学選抜チームとの戦い、それからまた引っ越し、その後は生徒会選挙……と、彼女たちにとっては実に、休む暇もない怒濤の数週間であった。

「だからといって、お友達の誕生日を忘れてしまっていいということにはならないのでは。知らなかった私たちにも責任はありますけれど……」

「うう……」

「冷泉殿は気づいていらっしゃらないのでしょうか?」

「うーん、どうだろ。麻子あんまりそういうの表に出さないからなあ」

「あの、そういえば思い出したんだけど」

 みほはおずおずと手を挙げる。

「大洗に戻ってきたとき、麻子さんがお祖母さんからたくさんもらったって言ってみんなにおはぎをくれたことがあったよね? てっきり廃校回避のお祝いだと思ってたんだけど……あれってもしかして」

 ごくり、と優花里が唾を飲み込む。

「お誕生日祝いだった可能性……ありますよね」

「えええーっっ! だったら絶対気づいてるってことじゃん! 私たちめっちゃくちゃ薄情な友達だって思われてるよぉ!」

 沙織が半泣きになる。 

「ど、どうしよう……!麻子さんが実は傷ついてたら……」

 みほ自身はあまり友達と一緒に誕生日を祝ったことも祝われたこともないので、よく分からないが。この2週間、あのいつも通りの無表情の下に、寂しさを隠していたのだろうか? いつかの病室で見た孤独な背中を思い出し、みほの胸は不意に締め付けられる。

「あ、あの! 今からでも……!」

「私がどうかしたか」

「「ひぃっ!?」」

 みほが思い切って言い出しかけた瞬間にいきなり当の本人に声を掛けられ、四人は一斉に椅子の上で飛び上がった。



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