2:名無しNIPPER
2016/09/03(土) 22:57:15.76 ID:I0oov03+0
「西住殿ー!」
元気な声に呼ばれて振り返ると、優花里さんがこっちへかけてくるのが見えた。服装は私と同じ大洗女子学園の制服だ。
「優花里さん、おはよう」
「おはようございます、優花里さん」
「おはよーゆかりん!」
「おはよう……」
「皆さんもおはようございますぅ! お待たせしてしまいましたでしょうか?」
「ううん、私達も今来たところだよ」
私は首を横に振りながら言った。優花里さんは安心した様な笑顔を浮かべる。
「それはよかったですぅ。昨日遅くまで戦車道の歴史を読み返してたのが仇となりました……」
「ゆかりん、女の子だからってデートに遅刻していい訳じゃないんだよ? 彼氏の器量を試すって高等テクなら話は別だけど!」
「試した事もないのに……」
「捕らぬ狸のなんとやら」
沙織さんの言葉に華さんと麻子さんが呆れた様子で肩を落とす。
「ひえぇ、私にはとてもそんな真似は出来ないです」
「気にするな秋山さん。実践経験の無い言葉だ」
「麻子酷いー! デートの基本テクニックの一つなんだから!」
「そんなことより、そろそろ中に入った方がよろしいのでは」
「華も何気に酷いスルー!」
私は頬を膨らませる沙織さんにとりあえず笑顔を浮かべながらも、華さんの言葉に頷いた。
そして背後に建つ建物を見上げる。
それは少し寂びれたショッピングモールで、お世辞にも華やかとは言えない佇まいをしていた。
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