過去ログ - 幸子「ボクはプロデューサーさんのことが嫌いなんですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/09/04(日) 21:57:58.02 ID:06f3lTXT0
そんなボクが、うまれてはじめて憧れたものがあった。
キラキラとした服で、ステージの上で歌をうたい、ダンスを踊る。お客さんからの大きな歓声を浴びて。それに応えるように手を振って。
カワイイ女の子が、カワイイ笑顔を見せて、たくさんの人からカワイイと言われる。
“アイドル”は、ボクを瞬く間に虜にした。
自分もこうなれたら、なんてありえない夢を頭に描いてしまうくらいに。深く、胸の奥深くまで、爪痕を残した。
だけど、所詮は夢。
ただぼんやりと毎日を過ごすボクにとって、それは儚い幻想に過ぎなかった。
自分を押し込めて、ただ言われるままに生き続ける。
アイドルなんて夢物語。叶うはずもない。ただの、夢物語。そう、そのはずだった。
……そのはずだった、のに。
「アイドルに興味はないかな」
その日、街に出かけていたボクが突然名刺を渡されて、黒いスーツを着た男の人に笑いかけられたのは本当の本当に偶然のことだった。
はじめ、何が起きたのか、自分でもよくわからなかった。
だから揺れる瞳も、鳴りやまない胸の鼓動も、ぜんぜん止まらなくて。ただ、その人の言葉を聞き漏らさないように何度も何度も頷いて。
「えっと、あの、こ、この電話番号にかければ……いいんですか」
やっとのことで絞り出した声は、きっと不安と期待で震えていたと思う。足元がグラグラとぐらついて、その場に立っているのも、やっとだった。
スーツの人は「電話くれたらオーディションの日程を教えてあげるから」と、そのまま一言二言告げて、どこかへ去っていった。
両手に握りしめた、その名刺には”346プロダクション”と記されていた。
――ボクの思い描いた夢物語が、現実へと変わったのは14歳になった年のことだった。
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