過去ログ - 【ガルパン】マタニティ・ウォー!
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786:KASA[saga]
2017/02/25(土) 12:48:33.08 ID:ZCVU9IeGO
■51日目
「紗希ちゃんとつちやさんとが倒れる」
お昼休み、みほが中庭で生徒会メンバーと一緒に静かに食事をしていると、あゆみちゃんが泣きながら駆けてくる。
何事かとベンチ立ち上がるみほの隣で、会長が『やめて』とかすれた声で呟いた。
みほ、会長の言葉の意味をあゆみちゃんの泣き顔の中に見出し、背筋が凍る。
紗希ちゃんの出血を知らされる。
みほ、背中の冷えが全身に広がる。
会長に目をむける。
会長は顔をこわばらせ。その額に脂汗が光る。会長はやっぱりまだ立ち直れてなどいない。
みほ気持ちが深い深い水の底に沈んでいく。そこは暗くて冷たくて苦しくて、あらゆる苦痛に満ち満ちてる。
平衡感覚がぶれて倒れそう。
揺れる視界。けれどふいに、母の像が浮かんだ。直立不動でたっている。鋭い眼差しで、自分を見つめている。
みほ(……。)
少しだけ心の乱れが収まる。
救急車は?→梓が呼んでくれた。
紗希ちゃんは今?→皆で保健室へ運んだ。
『情報共有を密に──』
という母の声が、脳裏にあったような気がする。
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みほ「小山先輩、戦車道チームの全員を倉庫に集めておいてください」
小山「え……でも……」
みほ「救急搬送が終わったら、皆にこの事を伝えます。伝えた方が、いいと思います。」
小山「(会長に視線で問いかける、が、会長は俯いて固まってしまっている)……っ、わかった!」
みほ「非常呼集、お願いします」
小山「うん!」
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会長が気を立て直す。
二人で、手を取り合い、気合を分け合う。しかし会長の手には汗がにじんでる。会長に頼りっぱなしではいけない。
ただ、河嶋先輩もがおずおずと手を重ねてくれた。そのおかげだろうか、会長の瞳の力強さが少しだけ増した。
小山先輩の、悲鳴を押し殺したようなくぐもった声が校舎に響く。
倉庫に集合をする過程でつちやさんの出血を知らされる。
みほ、息が止まりそうになる。
その後、そど子さんと華さんの無事な姿を確認すると、力がぬけて一瞬気が遠くなった。
救急車二台は音もなく学校へやってきた。
他の生徒にほとんどが気付づかれぬまま、静かに二人を連れて行く。サイレンをならさぬ救急車が異様。学校からはなれて、ようやくサイレンを鳴らし始めたようだ
紗希には梓と桂利奈が、つちやにはホシノが、それぞれ付き添う。
全員が、戦車倉庫に集められた。
二人の出血を知らされ、誰もが狼狽え混乱している。
みほ、抑えようとしているのに膝が震える。
会長→危機管理マニュアルにのっとり連盟その他に連絡中。
状況を母に伝えておこうか、ふとそう思いつく。
思いついた次の瞬間、もう、携帯に手が伸びていた。
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しほ『──わかりました。貴方たちも入院なさい。今日から、直ちに』
みほ「……!」
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母の判断は自分なんかよりもはるかに迅速で、かつ徹底的。
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