過去ログ - 勇者「救いたければ手を汚せ」
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903: ◆4RMqv2eks3Tg[saga]
2016/11/14(月) 21:02:37.01 ID:7J8WcdpBO

私は……

私は、分かっているから聞くんだと言った。

私は『しあわせ』を失う。その前に、しあわせを知りたい。

何で聖女さんなのか。

それは、彼女のしあわせが、私のしあわせに最も近いと思ったからだ。

聖女さんは一度は戦う意味を見失ったけど、愛する人と共に戦場を駆け、戦い意味を見出した。

私は先生を亡くし、一度は諦めた。でも、勇者や盗賊に助けられ、魔術師としてすべきことをした。

聖女さんが戦場で体験したことと、私が北部で体験したことには、共通点がある。

全部が全部、同じだなんて言わない。似てる部分があるってだけ。

だって、私と聖女さんには決定的に違う部分があるから。

聖女さんは戦士さんと結ばれた。

けれど私は、勇者と結ばることはないだろう。

そう伝えると、狩人は服から手を離して、行き場をなくした右手を、左手でぐっと握り締めた。

それから暫く間があって、頭に雪が積もり始めた時、私は俯く彼女に声を掛けた。



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