過去ログ - 鷺沢文香「例えば、どうしようもなく欲しいものがあったとして」
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4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2016/09/08(木) 05:06:33.31 ID:igJiY+430

◆ ◇ ◆ ◇



最初のワガママは、忘れもしません。

甘い味がしました。

「お疲れ様です。お先に失礼します」

私は、身支度を済ませ、帰路に着こうとしたところで声をかけられました。

「文香」

声の方向へ、おそるおそる視線を向けるとそこには笑顔の眩しいプロデューサーさんがいらっしゃって
「おいで、おいで」と手招きをしているのでした。

これと言った言い訳も見当たらず、その召集に逆らえるはずもなく、とてとてとプロデューサーさんの元へ。

「どうか……なさいましたか?」

「ワガママ。忘れてるでしょ?」

忘れていません。

だから、そそくさと帰ろうとしたのではありませんか。

そう言い返せたら何と良かったことか。そのような気概のない私は、はっ、とした演技をします。

「すみません……。失念しておりました」

「まぁ、初日だもんね。習慣付けていこうか。それで、今日のワガママは?」

ワガママは? と言われましても…。

しかし、逃げることは許されないようで、私は観念して適当な要求をすることにします。

「喉が、渇きました」

私がそう言うと、プロデューサーさんはにこにこして「お安い御用だ」と言いました。



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