1: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:03:37.66 ID:GPrN279J0
・西住みほ「三国志です!」 
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 ・西住みほ「三国志です!」2 
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2: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:05:11.32 ID:GPrN279J0
 時は漢の建安5年。 
  
 統一の総仕上げとして、遂に大南征を始めた乱世の姦雄、カチューシャから間一髪で逃れ、大洗軍は江夏を治める丸山紗季の助けを得て、体勢を立て直しておりました。 
  
3: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:08:25.46 ID:GPrN279J0
 ――荊州・襄陽―― 
  
 カチューシャ「何よ、荊州軍にはロクな兵がいないわね。みんなまとめて、シベリア送りにしてやろうかしら」 
  
 ノンナ「カチューシャ、またそのようなご冗談を。……このまま、江東を攻めるつもりなのでしょう?」 
4: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:13:12.57 ID:GPrN279J0
 ――大洗軍駐屯地・夏口―― 
  
 まほ「お初にお目にかかる、大洗軍会長、角谷杏」 
  
 杏「初めまして。建業からわざわざ来てくれてありがとね」 
5: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:18:35.01 ID:GPrN279J0
 みほ「江東の小覇王、阪口桂里奈さん」 
  
 まほ「わずかな時で江東を征服した。逆に、足元がよく見えてはいなかった」 
  
 杏「ま、そちらさんの言いたいことはわかったよ。要するに、江東を抗戦派に固めたいってことでしょ?だったら、やっぱ澤ちゃんと直接話さないとならないかな」 
6: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:23:49.24 ID:GPrN279J0
 ――江東・建業―― 
  
 桂里奈『あいーーー!』 
  
 梓『すごい、すごいよ桂里奈ちゃん!これで江東は完全制覇だよ!』 
7: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:25:21.66 ID:GPrN279J0
 ワイワイ ガヤガヤ 
  
 杏「いやー、建業って、ずいぶんと栄えてんだねぇ。こりゃ中原の大都市にも劣らないよ」 
  
 まほ「今主が後を継いでから、我々は水路の整備や商業の育成に力を入れてきた。今ではこうして、長江の支流から品物が集まってくる」 
8: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:30:07.62 ID:GPrN279J0
 まほ「失礼する。……大洗軍会長、角谷杏ならびに軍師、西住みほを連れてきた。では、私はこれで」バタン 
  
 梓「えっと……、会長と、西住先輩」 
  
 杏「やーやー澤ちゃん。お邪魔するよ」 
9: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:31:04.04 ID:GPrN279J0
 梓「そ……それなら、なんで会長は降伏しないんですか!?西住先輩も……なんで会長に降伏するよう勧めないんですか!?」 
  
 みほ「……会長には、カチューシャさんと戦わなくっちゃいけない理由がある。降伏するわけにはいかないから」 
  
 梓「戦わなくっちゃいけない理由……」 
10: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:35:22.61 ID:GPrN279J0
 杏「うーん、あんな感じでいけるかなー、と思ったんだけど、どうだろね?」 
  
 みほ「ええ。悪くなかったと思います。不安を煽りつつも立ち向かう姿を見せてから、力強く勝たせてみせる、と宣言する。澤さんの性格なら、大洗軍に憧れを抱いたはずです」 
  
 杏「ま、不安を煽るって言っても、カチューシャ軍が手強いのは全部事実なんだけどね……自分で言ってて勝てるか不安になってきちゃったよ」 
11: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:36:04.61 ID:GPrN279J0
 みほ「実際に軍を率いるエリカさんが勝てると言えば、他の人たちもそちらに傾くでしょう。逆に、負けるとエリカさんに言われてしまえば、澤さんも降伏を決意すると思います」 
  
 杏「つまり、今度は逸見ちゃんの腹積もりを確認しにいかなくっちゃならないといけない、ってことだ」 
  
 みほ「はい。できれば、なるべく目立たないようにいきたいのですが……」 
12: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:36:51.65 ID:GPrN279J0
 降伏派文官「角谷杏どの。あなたはカチューシャについてどのように考えるのですか?」 
  
 杏「んー、そうだね、漢王朝を私物化して、天下を乗っ取ろうとする悪者、かな」 
  
 降伏派文官「ですが、王朝とはいずれ命運が尽きて滅びるもの。それはすでに漢の命脈が尽き、カチューシャこそ次の支配者ということではないですか?」 
13: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:37:42.31 ID:GPrN279J0
 降伏派文官「会長殿、それでは実際にカチューシャと戦ったとして、勝機はあるのですか」 
  
 杏「まあ、あると思うよ?」 
  
 降伏派文官「ほう。しかし、カチューシャ軍は20万。それに降伏した荊州兵を加え、水軍も手に入れています。さらに食料は天高く積み上がり、兵は歴戦。これに勝てるとは、到底思えませぬが」 
14: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:38:20.64 ID:GPrN279J0
 まほ「素晴らしい弁舌だ。降伏派がひっきりなしに論戦に赴いているというのに、その全てを言い負かしている」 
  
 みほ「おかげで、建業の目は会長に集中してる……。これなら、目立たずに柴桑に向かえるね」 
  
 まほ「ああ、その通りだな」 
15: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:39:32.07 ID:GPrN279J0
 ――江東水軍本拠地・柴桑―― 
  
 エリカ「隊長!それと……そちらが」 
  
 まほ「ああ……妹のみほだ」 
16: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:40:41.08 ID:GPrN279J0
 エリカ「はっきり言わせてもらうけどね、私はカチューシャ軍と戦うつもりはないの。私の江東水軍が健在だったら、交渉に持ち込んでほどほどの所で講和を結ぶことだって十分にできるわ。それには、大洗軍がいると邪魔なのよ」 
  
 みほ「…………」イラッ 
  
 エリカ「ふん、悪運だけが取り柄の弱小は震えて縮こまってるのがお似合いよ」 
17: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:43:38.99 ID:GPrN279J0
 エリカ「……な、なによその顔。なにか文句でもあるわけ?」 
  
 みほ「エリカさんの言いたいことはわかりました。それじゃ、今度は私の言葉を聞いてくれますか?」ギュッ 
  
 エリカ「わ、わかったわよ。わかったから少し離れなさいよ」 
18: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:44:48.10 ID:GPrN279J0
 みほ「ふうっ。説得完了です♪」 
  
 エリカ「あ、あへぇぇぇ……」 
  
 まほ「これは説得なのか?」 
19: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:45:55.28 ID:GPrN279J0
 みほ「エリカさん、大丈夫ですか?話し合いの最中にいきなり意識を失ったんですよ。……ね、お姉ちゃん?」 
  
 まほ「……ああ、そうだな」 
  
 エリカ「そう……失礼したわね。疲れてるのかしら……」 
20: ◆8DlJds//22[saga]
2016/09/08(木) 21:46:24.55 ID:GPrN279J0
 まほ「どこであんな技を身につけたんだ」 
  
 みほ「しばらく住んでた村で、ちょっとね。普通はあんなにうまくかからないんだけど、特別かかりやすい人だったみたい」 
  
21:名無しNIPPER
2016/09/08(木) 21:47:02.97 ID:1zLV/JlJo
 なんで見事な交渉術なんだ… 
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