1: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/08(木) 22:51:49.22 ID:QnURjNoK0
職場にいたくなくて、いつも通りの時間で上がった。 
 仕事が停滞していることに耐えられなかった。 
  
 家に帰りたくなかった。 
 明日の仕事に備えたくなかった。 
  
 失敗はしなかった。 
 失敗することすらできなかった。 
  
 一歩ずつ地道にやっていきたいと思っていた。 
 ふと、歩き方すら分からなくなっていることに気付いた。 
  
 死にたいなんてことは微塵も思わない。 
 そんな暇はない。 
  
 今はとにかく現状を打破しないと。 
 …………どうやって? 
  
  
  
  
  
  
  
 知らない店の扉を開いた。 
  
 
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2: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/08(木) 22:58:36.15 ID:QnURjNoK0
 扉の内側は静かなバーだった。 
  
  
 その雰囲気に、苛ついた。 
  
3:名無しNIPPER[sage]
2016/09/08(木) 22:58:39.94 ID:MUy056zwO
 期待 
4: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/08(木) 23:05:31.91 ID:QnURjNoK0
 自分は疲れている。 
 それがこの苛々の根源だ。 
 今の自分は何にでも苛々するのだろう。 
  
  
5: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/08(木) 23:08:20.14 ID:QnURjNoK0
 いや、停滞したんじゃない。 
 そもそも自分は何も考えていなかったんだろう。 
  
 寝ている間に夢を見るように。 
 荒唐無稽で乱雑な思考が頭の中を支配する。 
6: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/08(木) 23:14:27.67 ID:QnURjNoK0
 目の前の壮年は何も言わない。 
  
  
 そういう店なんだろう。 
  
7: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/08(木) 23:22:34.56 ID:0Fv56GWFO
 知っている声がした。 
  
 苛ついた。 
 救われた。 
  
8: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/08(木) 23:31:56.25 ID:0Fv56GWFO
 「珍しいね、こんなところで会うなんて」 
 「そうかもな」 
  
 だからどうした。 
  
9: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/08(木) 23:57:17.81 ID:QnURjNoK0
 「さっきの聞いてた?いつもの、で通じるってすごくない!?」 
 「ああ、そうだな」 
  
 この距離で聞こえてないわけがないだろうが。 
  
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