過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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28:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 16:31:56.17 ID:ROM1DOs8o



昨夜(というか今朝)、目覚め際に彼女は言った。


彼女「平沢唯が貴女を意識し始めれば、我々は彼女の意識と同調できます。貴女の前に立つ私が今まで以上に完成度の高い平沢唯になった時は、そういう事だとお思いください」

澪「両想いになりつつある証、ってことか?」

彼女「はい。完璧な解答です。そしてその時が訪れれば、私の目的も半分は達成されたという事になります」

澪「そ、そこまできてまだ半分なのか・・・」

彼女「言うでしょう? 『百里を行く者は九十を半ばとす』と。後は想いを伝えるだけですが、そこを急ぐわけにはいきません。慎重に、且つ確実に成し遂げなくてはならないのです」


確かに、デリカシーもロマンチックさも無い告白では成功率も下がるだろう。
私の背を押す立場としては、押した結果当たって砕けた、では許されないのだろう。
彼女は決して無責任ではない。むしろ責任感に溢れている。ついでに彼女には上司のような存在がいるのではないかと今までの会話から予想される。
よって、彼女は絶対に私の恋を成就させたがる。そんな彼女の言う事は正しい。
私もまだ道半ばと心得て、慎重に唯と接しよう。


彼女「いえ、貴女の場合は慎重というより臆病なので、もう少し前に出てもらわないと。あくまで私が慎重になるだけの話ですから」

澪「・・・余計なお世話だよ! 私自身が一番わかってるよ!」

彼女「平沢唯と同調できた暁には、そんな事言っていられなくなりますよ? 現実のように今の内に覚悟を決めておいて貰わないと」

澪「・・・わかったよ」


その時はそう言いつつ、そんなに早くその時は訪れないだろうと内心思っていた。臆病な私がそこまで唯にアピール出来ている筈がないからだ。
そして、今夜。夢の中の部室で私はまた『唯』に会ったのだが・・・


唯?「やっほー、澪ちゃん!」


その唯は、いつもの黒唯ではなかった。
具体的に言えば黒くなかったのだ、髪が。本物の唯と同じ、栗色の茶髪になっていた。
これは、つまり、そういう事なのだろうか? 昨日も言われた通り、唯と両想いになりつつあるという事? そしてつまり――


唯?「どしたの澪ちゃん?」

澪「ち、近い!」


つまり、現実と何ら変わらぬ唯が、現実の唯のように接してくる、という事。
それを理解した上で練習だと割り切り、積極的に唯に接する覚悟が私に求められているという事。
・・・うん、やっぱり私は全然覚悟が出来ていなかったようだ、昨日ああ言われたのに。
どうしよう、どうすればいいんだ。とにかく喋るか。


澪「え、えー、こんばんは唯。本日はお日柄も良く・・・」

唯?「こんばんはなのにお日柄っておかしくない?」

澪「い、いや、あれは本来天気のことじゃなくて、その日自体の吉凶の話なんだ。大安とか仏滅とかカレンダーに書いてあるだろ?」

唯?「あー、そうなんだ」

澪「そうそう。だから、うん、おかしくない」

唯?「へー」

澪「確か今日は先勝だったはずだし。うん」

唯?「あっ、ところで澪ちゃん――」

澪「いや、待って、今は夜か。先勝は午前中が吉なんだけど、夜って午前扱いなのか午後扱いなのかわからないな・・・」

唯?「・・・えっと」

澪「日付が変わる前なら午後か?変わってれば午前か?それとも時間は関係なく――」

唯?「ちょっと、澪ちゃん。私が何の為にここにいるかわかってる?」

澪「あっ、ごっ、ごめんなさいっ!」



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