過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
1- 20
29:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 16:33:35.60 ID:ROM1DOs8o

睨まれた。現実と何ら変わらない唯の顔なのにありえないくらい睨まれた。
怖い・・・けど、なんだかんだで黒い要素は残ってるのか。なら引き続き黒唯と呼んでも大丈夫なのかな。外見は唯そのものだけど。


黒唯「なんだかんだで、じゃないでしょ。せっかく本物と何ら変わらない唯と接することが出来る機会なのになんで私が出てきて澪ちゃんに説教しなきゃいけないわけ?」

澪「・・・うん、ごめんなさい・・・」

黒唯「なんで自分の世界に入っちゃってるわけ? 現実でもこんな感じなの?」

澪「いや、その、急すぎて混乱しちゃって・・・」

黒唯「ちなみに先勝で凶とされる午後はだいたい14時から18時を指すらしいから覚えておいてね。現実でそんな風に混乱しないためにも」

澪「はい・・・」

黒唯「・・・念の為聞くけど、嬉しくないの? 私がこういう姿になれるくらい、澪ちゃんは好かれてるんだよ?」


嬉しくないわけはない。好かれたいと思ってしまったのだから、嬉しくないわけがない。
そして、黒唯がそれをわかっていないはずもない。念の為なんて言ってはいるが、念なんて入れる必要もないんだ、私達の間には。
なら、この質問の真意は一つだ。
大きく深呼吸して、黒唯の目を見て宣言する。


澪「・・・嬉しいよ。私は唯のことが好きなんだから、嬉しくないわけがない」


そう言葉にして、覚悟を決める事。それが求められているんだ。
事実、その私の答えに対して黒唯は唯の顔をして笑った。


黒唯「良かった。嫌われたかと思っちゃった」


黒唯は――彼女は、もう唯になっている。
なら私は、唯に伝えたい言葉を伝えなければ。これは彼女の言っていた通り、練習なんだから。
現実で伝えられなくなる事が無いように、この場で伝えておかないといけない。どんな歯の浮くような恥ずかしい言葉であっても、だ。


澪「・・・嫌うわけないよ。私は唯をずっと想い続けてきたんだから」

黒唯「ずっと? ずっとっていつから?」

澪「・・・きっかけは色々あったけど、結局は最初からずっとなのかもしれない。いつも唯のことを気にしてた。初めてだったんだ、唯みたいなタイプの友達は」

黒唯「それって、私の性格がちょっとでも違ったら好きになってなかったってこと?」

澪「そうかも。だから考えようによっては本当に『運命の出会い』なんだ、私にとっては」

黒唯「澪ちゃん・・・」


やや熱の篭った唯の視線から思わず目を逸らす。
別にそれが嫌だったわけではなく、恥ずかしい言葉のオンパレードで自ら招いた事態に私自身が耐えられなくなっただけだ。
もうこれ以上は恥ずかしい言葉も言えそうにない。話を変えよう。


澪「ゆ、唯はどうなんだ? なんで私のことを気にしてくれるようになったんだ?」

黒唯「私も最初からだったのかも。正確には会った次の日からかな。澪ちゃんの外見と中身とのギャップは、すごく可愛いって思ってた。私も澪ちゃんみたいな子と会ったのは初めてだった」

澪「そ、そっか」


聞く方も聞く方で案外恥ずかしいな、これ。


黒唯「でも、学園祭からかな、特に意識し始めたのは。あの時の澪ちゃんはとってもかっこよくて、輝いてた。一緒に歌えることが嬉しくて、もっともっと一緒にバンドしたいって思った」

澪「ぁ・・・」


驚いて、咄嗟に言葉が出なかった。
その気持ちは、私が抱いているものと同じだったから。一緒に居たいという気持ちが、確かに同じだったから。


黒唯「それに昨日だって、「つまずいた時には支えて欲しい」なんて言われちゃって。そんなこと言われたら、ねえ?」

澪「ねえ?って・・・そんなに変なセリフだったかなぁ?」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
75Res/157.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice