過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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32:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 16:41:09.19 ID:ROM1DOs8o

黒唯「未来を知る、ということ自体に罪悪感を抱く子はいるよ。でも相手が開けっ広げな子じゃないから、その子の喜ぶ正解を知りたいという気持ちの方が強くなるわけ」

澪「相手を理解し、喜ばせたいという気持ちから、か。それは正しいような気もするな」


例えば誕生日プレゼントを選ぶ時とかは、相手の心が読めたらいいなと思う時があるだろう。
私が貰う側ならどんな物でも喜ぶけれど、選ぶ側はやっぱり最善を尽くしたくて悩むものだから。
全ては相手の喜ぶ顔が見たいから、だ。


黒唯「私も願ってるんだよ。未来を教えることで想い合う二人の涙がなくなり、笑顔が溢れてくれればいいなって」

澪「・・・ありがとう」

黒唯「でも、澪ちゃんはそれに罪悪感を抱いてる。理由としては前述の通り、唯が隠し事をしない子だから。言葉がそのまま心を映し出している子だから」

澪「うん」

黒唯「でもそれは半分。もう半分は澪ちゃんの誠実さから来てる。そうでしょ?」

澪「えっ? そう言われてもよくわかんないんだけど・・・」


確かに何かを見落としているような気はする。
相手を喜ばせたいから未来を知る。その気持ちには私も共感できる。なのに心の中から罪悪感は消えない。唯に対する申し訳なさが消えない。何故だろう?
他の子達は、未来を知れば相手を喜ばせられると判断したということだろう。でも私はそうならなかった。相手を喜ばせたい気持ちはわかるのに、だ。
私は、未来を知るだけでは唯が喜ぶには足りないと思っているのだろうか? それとも逆に、未来を知ったら喜ばせられないと思っているのだろうか?


黒唯「澪ちゃんは理屈っぽく考えちゃうタイプだよね。実際それが上手くて、今回もいい線行ってるんだけど。もうちょっと自分の感情を見てもいいと思うよ?」

澪「感情・・・?」

黒唯「上がり症で臆病だからこそ感情は意外と豊かなんだけど、そういう人って自分を客観視するのって苦手だったりするよね」

澪「うっ・・・」


そう言われるとそうかもしれない。というか客観視できないからこそ上がり症なのではないかと疑ってさえいる。
黒唯がそのあたりに詳しいのは、多くの人を演じてきた経験からだろうか。


黒唯「仕方ないなぁ、答えを言おうか。澪ちゃん、さっき、『唯』の言葉を聞いて顔を赤くしてたでしょ?」

澪「う、うん。自分の顔が見えるわけじゃないしあまり認めたいことでもないけど」

黒唯「言い訳はいいから。で、その後、これが練習だと気付いてその頬の熱も冷めた」

澪「うん」

黒唯「どうして?」

澪「えっ? どうしてって・・・練習で赤くなってもしょうがないし」

黒唯「練習で赤くなってもしょうがない。本番で赤くなるべきだ。そう思ったんでしょ」


そう言われるとなんかすごく恥ずかしい奴に思えてくる。
まるで自分の赤面に価値があると思っているような・・・


黒唯「価値じゃないけど、そこに意味があるって澪ちゃんは思ってるんだよ。正直な唯に対して、自分も正直な反応を返さないと意味が無いって思ってる」

澪「あっ・・・」

黒唯「そんなフシあるでしょ?だから予習することでその反応が鈍ってしまうことを恐れている。素直な反応を返せない可能性が出てくること自体が、唯への罪悪感になってる」

澪「・・・それが、誠実だってこと?」

黒唯「素直な子に対して素直でありたい。それは誠実さって呼べるんじゃないかな」

澪「・・・そっか」

黒唯「澪ちゃんは自身の客観視が苦手なのに加え、変なところで意地っ張りだったり見栄っ張りだったりするから自覚しにくいんだろうね」

澪「褒められてるのか何なのか・・・」

黒唯「事実を言ったまでだよ、鏡は嘘を吐けないからね。唯はそういうところもかわいいと思ってるみたいだけど」

澪「そ、そういうフォローはいらないです・・・」



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