過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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31:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 16:40:05.61 ID:ROM1DOs8o


黒唯「・・・親身になるには、それなりの理由があるってこと。本物かと見紛うほど上手く真似れるのにも、ね」


・・・元人間だから親身になってくれて、元人間だからシンクロして思考回路さえ理解してしまえば完璧に真似られる、という事か。
納得はしたけれど、彼女が元人間だったという事の衝撃は大きい。
彼女を天使か何かと思い込んでいた時と同様、元人間だなんて可能性は最初から頭の中に無かったからだ。
過去を想像もしなかった。彼女と仲良くなりたいと思ったくせに、私は彼女の根本的なトコロに目を向けていなかった。


黒唯「・・・これ以上の質問はNOだからね」


後悔に浸るまもなく、ピシャリと言い切られる。
まさに取り付く島もない。私は何も言えずにいる。悪いのは私なのに・・・


黒唯「・・・澪ちゃんが後悔してるのも、私に対して悪いと思ってるのもちゃんと伝わってるから大丈夫だよ。気にしないで、話を戻そう?」

澪「・・・うん、ありがと」


彼女のためを思うなら話を戻し、進めるべきだ。
私が招いた後悔で彼女の足を引っ張るなど、私自身も望んでいない。


澪「えっと。あなたは今まで、唯のような人間を見たことは無かった、ってこと?」

黒唯「ついでに澪ちゃんみたいな子もね。正確に言えば澪ちゃんみたいに臆病な子はいたし、唯みたいに天真爛漫な子もいた」

澪「あ、一応いたんだ」

黒唯「でも唯は突き抜けすぎている、一種の才能のように。澪ちゃんは臆病なくせに変なところで意地っ張りで強情で、そして誠実だから難しい。こんなタイプの組み合わせは初めてだよ」


そう、唯の突き抜けた天真爛漫さはまさに才能なのだろう。だから底が見えないし、だから輝いて見える。
でも私の評価はよくわからない。自分の事は自分が一番わかるなんて言うけどあれ嘘だよ絶対。


黒唯「・・・ふうん。じゃあ、また確認だけど、澪ちゃんは今やってることが唯の心の中を覗くような真似に思えて抵抗を覚えてるんだよね?」

澪「うん、罪悪感がある」


そうだ、罪悪感だ。そう呼ぶのがしっくりくる。
唯がその口で伝えてくれるはずだった物事を、私は先に知ってしまっているという罪悪感。
予め習う『予習』であるが故の罪悪感。そういうものがある。


黒唯「うん、そうだね。じゃあ予習って何のためにすると思う?」

澪「えっ?えっと、予め学んでおくことで理解しやすくするため・・・?」

黒唯「それもあるけど、この世界の場合はそっちじゃないね。当日に間違わないように、失敗しないようにするため、の方だね」

澪「あっ、それもそうか」

黒唯「そうだよ、だから大事なの。恋愛成就のために。でもたぶん罪悪感を抱いてる澪ちゃんはそれでも予習に抵抗を感じるよね」

澪「・・・うん。あなた達がしてくれることを否定するつもりじゃないんだけど・・・」

黒唯「それは気にしなくていいから。そもそも前提が違うんだからさ」

澪「前提?」

黒唯「そもそも今までにいた子は罪悪感を抱くくらい開けっ広げな子じゃなかったり、とかね。ちゃんと隠すところは隠す子。私もそれを正確に再現する」

澪「だから罪悪感を抱く余地はない、と」



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