過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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37:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 16:51:50.27 ID:ROM1DOs8o



黒唯「――で、放課後になって部活の時も特に変化なし。よって私に聞くことにした、と」

澪「う、うん、そうと言えばそうなんだけど・・・」


唯の心は知りたくないと言っておきながら、唯がどこまで知っているかだけは聞きたいというのはズルいといえばズルい。
それに朝も考えたが、私は唯が私に興味を抱いてくれつつある事を知っている。ならフェアに唯にも知られていた方がむしろ良いとも言える。
確かめたいというのは私の臆病さから来る保身の為の欲なんだ。良くない事なんだ。いつも通りの唯と一日過ごして、私の考えはそっちの方向に傾いていた。
それに何より・・・唯が私にいつも通り、今まで通りを望んだんだ。変に突飛な事はしない方がいい。きっとそうだ。


澪「・・・やっぱり、聞かなくていい。ごめん、忘れて」

黒唯「ふぅん・・・ま、聞きたくないことを教えたりはしないよ」

澪「聞きたくないわけじゃないんだけど、聞かないほうがいい気がするんだ」

黒唯「・・・でも、わかってる? 『いつも通り』ってことは、二人の関係に進展はほとんど望めないんだよ?」

澪「・・・そうかもしれないけど、でも、きっと少しずつでも進展はするよ。私が唯を好きなんだから」

黒唯「・・・」


大きく溜息。そして、若干の不快感を込めてるように見える視線で私を見る。
ああ、そうか、くっつけるのが仕事の彼女にとっては、私の答えは望ましいものとは言えないのか。


黒唯「・・・本当に、こんな二人は初めてだよ」

澪「・・・ごめん」

黒唯「唯とのシンクロは遮断してあるから澪ちゃんの視点だけで言うけど、澪ちゃんだってイチャイチャしたいって願望はあるんだよね?」

澪「い、イチャイチャって・・・まあ、最終的には、うん」

黒唯「そこで「最終的」って言葉が出てくるのがまず変だと思うよ。人生は有限なんだから生き急がないと」


そこは人の性格による気がするのだが、黒唯が元人間だと知っている今、真っ向から反論するのは躊躇われた。
一度人生を終えている人の言葉として聞くと、その重みには到底反論なんて出来やしない。


黒唯「早く幸せを手にすれば、その分長く幸せでいられる。現実的に考えて何もおかしくないよね。実際今までの子達は大体そうだった」

澪「・・・それは、確かに」


自分達のやり方がどうであれ、幸せを求める他の子達のやり方を否定するつもりはない。
それに、現実的に見れば早く幸せを掴みたい気持ちは当然のもののはずだ、黒唯の言う通り。
他の子達はリアリストだった、とも言えるのかもしれない。


黒唯「その反面、澪ちゃんみたいなのはロマンチストが過ぎるね。テレビやマンガみたいな運命の恋を求めすぎてる。今までいろんな人を見てきたけど、ここまで酷い人はいなかったよ」

澪「ひ、ひどいって・・・」

黒唯「むしろアクシデントを求めてるような節さえあるよね。それを乗り越えて結ばれたい、みたいな。恋に奇跡を期待してるような。恋に恋する乙女だね」

澪「うぅ・・・」


言いたい放題である。
でも事実ゆえに言い返せないから、言われたい放題なのである。



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