過去ログ - 澪「シンクロナイズドドリーミング」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/09(金) 15:57:21.82 ID:ROM1DOs8o
黒唯「ふふふー、知ってるよ? 私は唯であり、私でもあるけど、澪ちゃんでもあるんだからね」
澪「そ、それってどうい、う、いや、私は唯のことをそんな風には別に!」
黒唯「落ち着いて落ち着いて。大丈夫、こわくないこわくない。ね?」
別に怖がっていたわけではないけれど、まあ、唯に大丈夫と言われたんだ、落ち着かないわけにはいかない。
深呼吸深呼吸。ここは夢の中らしいけど深呼吸。ふう。
・・・さて、ええと、何だったっけ。ああそうだ、私が唯のことを、す、好きだとか、あと目の前の黒唯は私でもあるとか・・・?
そんな事急に言われても思考が追いつかないけど、考えるだけ考えてみようか。ええっと・・・
黒唯「・・・私から全部説明しようか? 希望通り、『唯』じゃなくて、『私』から」
澪「えっ、いいのか?」
黒唯「基本的にはしないけど、別にダメと言われてる訳でもないからね」
澪「・・・じゃあ、お願い」
私の希望が通った形になるんだ、断る理由はなかった。
実際は黒唯の状態で説明してもらっても大筋は同じになるんだろうし、落ち着いて考えればある程度なら私自身でも答えを導き出せるかもしれないけど。
それでも、黒唯ではなく『中の子』――あえて呼ぶなら『彼女』か――に語ってもらった方がきっと理解しやすいんじゃないか。そう思う。
ついでに今のやり取りからも、彼女に指示を出している、あるいはルールのようなものを教えた存在がいる可能性が見えてくるけれど、それは今はいいか。
「・・・こほん」
咳払いと共に、彼女の纏う『黒唯』は消え去った。
姿形が変わったわけじゃない。それでも私はもう彼女を唯とは――黒唯とさえも――呼べなかった。それほどまでに彼女は無表情・・・いや、無そのものになった。上手く言えないけど。
じゃあ何と呼べばいいのか、と考えるも、やっぱり『彼女』と呼ぶのが関の山だ。
初対面なのだから当然といえば当然なんだけど、同時に私は彼女の名前を呼べる時が来ないような気もしていた。
彼女を彼女としか呼べないような気がしていた。どうしてか、それも当然の事のように思えたんだ。
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