過去ログ - 裕子「特別なことができるなら」
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9: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2016/09/10(土) 21:27:26.50 ID:jzgcTAa+0

医者「そちらではない! 先ほどの爆発を引き起こしベッドをそのようにしたキミだ裕子さん! キミこそが人類の可能性なのだっ!」

まるで子供のようにはしゃぐ医者に対して、裕子もプロデューサーも困惑した表情で見つめ合う。突然人類の可能性などと
言われてもピンと来る人間はそうはいないだろう。けれど喜ぶ医者はさらに続ける。

医者「今、裕子さんは地面に頭を打った衝撃で脳が恐ろしい勢いで活発になっている! いや、それだけではない、
キミはもともと常人より遥かに脳の力を抑えて暮らしていたことまで判明したのだ!」

裕子P「……ユッコが、普段は脳の力を10パーセント以下にしていたということ?」

医者「そうとも! そして、今やっと裕子さんは常人と同じく脳の力を10パーセント解放した! その結果がこれだ! 
だがこれで終わりではない、裕子さんはこのままいけばきっと100パーセント脳の力を使いこなすだろう!!」

その時起こるであろう光景に思いを馳せた医者は、恍惚の表情を浮かべて裕子を見た。その瞬間彼の役目は終わったのか
ちひろは一瞬で彼をどこかに移動させた後、未だに困惑している裕子達を見つめた。

ちひろ「まぁ、というわけになります。お二人共、ここまではよろしいですか?」

裕子「なんとか……ところで、私が脳の力を10パーセント以下しか使ってなかったというのはその……」

ちひろ「強力過ぎるが故に自己防衛本能が働いていたためでしょう。それが、生死に関わる状況の後で頭を打ったために変化した」

裕子P「だからユッコはこうして……でも、こんな力、使っていて大丈夫なのかどうか……」

扉を吹き飛ばしベッドを変形させた裕子の力を目の当たりにした上で医者の話を聞いたプロデューサーは、
なにか言い様もない不安に襲われ、支えていた裕子の身体を引き寄せる。それはまるで今の裕子がどこかに
消えてしまわないよう、必死に守っているようにも見えた。

裕子P「どう考えてもこの力はユッコが使えこなせているようには見えません……なんとか元に」

裕子「プロデューサーそんな!? 何言ってるんですか、これはむしろチャンスですよ!」

裕子P「ユッコ!?」

心配するプロデューサーをよそに、やっと理解が追いついてきた裕子は自分の手を見て、それからプロデューサーの顔を見る。
この瞬間裕子は自分の力と制御方法を正しく認識すると、何が出来て何が出来ないのか、もっと脳の力を引き出すにはなにを
すればよいのか、この力を使ってどうするべきなのかを瞬間的に判断していく。



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