過去ログ - 1人だけ記憶の戻ってしまった三葉の話
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11:名無しNIPPER[saga]
2016/09/11(日) 12:13:48.19 ID:rMd6G09pO


「瀧くん……瀧くんっ!」
「うぉっ!」
部屋に2つの声が響く。
「あ、瀧くん」
「びっくりしたあ、あ、これ食べなよ」
 うん、ありがとう。と答えて身体を起こす。汗で湿ったパジャマがべたついた肌にくっつく。
 机の上には瀧くんが作ってくれただろうお粥が細く湯気を立てている。


「何かうなされてたみたいだけど……大丈夫?」
心臓の音が、ドラムを鳴らしているみたいに身体の中に響いている。
気恥ずかしさで彼の目を見る事が出来ない。
頬が熱を持っていて、赤くなっているのが見なくても分かる。

「んー?まだちょっと熱があるかな」
ひんやりと冷たい手が額に伸びた。
冷たさに驚いて顔をあげる。

昔より少し伸びた髪の間から、変わらずまっすぐな瞳が私を見つめていた。
額に当てられた手が頬へと滑る。
白い顔が近づいてくると、あっさりと唇が重なった。

頬はますます熱を帯びてしまい、私はこの熱が本当に風邪のせいなのか分からなくなってしまった。






私は何度でも君に恋をする。
それは川のせせらぎが聞こえる山の麓で、
あるいは人で溢れる電車の中で。

何度でも君を探しだして、恋をしてやるんだ。





身体を包む寒気はすっかり無くなっていた。



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