過去ログ - 若林智香のファンになった男性の話。
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1:名無しNIPPER
2016/09/13(火) 15:23:06.70 ID:bJ2kGf4/0
 いつものように、電車に揺られる。

 朝早くに起きて、夜遅くまで会社で仕事。家に帰って寝て、また会社。

 そんな繰り返しの日々で、私は疲れきっていた。

 休日がないわけではない。楽しみもないわけではない。

 だが、それで疲労が完全に取り除かれるかと言うとそういうわけではない。

 毎日毎日、少しずつ少しずつ、疲労は蓄積していく。

 結婚でもしていれば『誰かのために頑張ろう』という気持ちになったのだろうか。

 頑張る理由を見つけられたのだろうか。

 私にはそれがない。ただ漫然と生きている。

 そんなおぼろげな不満を抱えて、今日も電車に揺られている。

 それほど大きな悩みというわけではない。ただ、なんとなく……そう、なんとなく、そう思うことがあるというだけ。

 きっと誰もが持っている、日常に対する不満。それと同じだ。

 ただ疲れだけがたまっていく日々に対して不満を覚えて、でも、すぐに忘れてしまう。

 そんなことを考えている暇なんてないと自分自身に言い聞かせて、すぐに仕事に向き合ってしまう。



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2:名無しNIPPER
2016/09/13(火) 15:23:33.41 ID:bJ2kGf4/0
 それがいいことなのか……はわからない。

 だが、そうしないといけないということはわかる。

 その問題に真面目に向き合っても、解決できる気がしないから。
以下略



3:名無しNIPPER
2016/09/13(火) 15:24:07.25 ID:bJ2kGf4/0
 ……。

 ……。

 ……。
以下略



4:名無しNIPPER
2016/09/13(火) 15:24:35.56 ID:bJ2kGf4/0
「あの!」

 瞬間、パッと目を開く。目の前には、一人の少女。

「――駅ですっ。降りる駅……でしたよね?」
以下略



5:名無しNIPPER
2016/09/13(火) 15:25:01.79 ID:bJ2kGf4/0
 しかし、言い訳するわけではないが、その少女はかわいかった。腰まで届くほどに長いポニーテールが印象的で、朗らかに笑うその表情は見ているだけで元気がもらえそうなほどである。

「ふぅ……間に合いましたねっ」

 声とともにポニーテールまで弾ませて、少女は笑う。
以下略



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