過去ログ - 姫川友紀「好きって気持ち、少しまえ」
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◆saguDXyqCw
2016/09/14(水) 00:45:36.06 ID:Gp4ENr9z0
事務所の入り口を抜けて、自分たちの部署の扉を開ける。
事務所の中には、人影が一つ。
ふっくらした緑がかった髪の毛を肩ぐらいに伸ばしていて、肌の色は羨ましいくらい白い。
よく見れば色の違う双眸をあたしに向けると、それが見えないくらい目を弓なりにした。
高垣楓さんだ。
「あら、友紀ちゃん。お疲れさま」
「お疲れ様でーす、楓さん!」
元気印なあたしと違い、楓さんはとても落ち着いている。
同じくらいの歳になったら、あたしもこうなるのかなー……なんて思ったけど、そうじゃない人もたくさん頭に浮かんだ。
やっぱり人それぞれか。
「あら?」
楓さんは頬に手を当てると、小首をかしげた。
「今日の友紀ちゃん、いつもより大人びて見えるわね」
「え、そうかな」
「なんだか、年齢が一つ大きくなったみたい」
「って、そりゃそうだって! 今日はあたし誕生日だから!」
「あら、そうだったの?」
楓さんは目を丸くした。
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