過去ログ - 姫川友紀「好きって気持ち、少しまえ」
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2: ◆saguDXyqCw
2016/09/14(水) 00:07:03.36 ID:Gp4ENr9z0


 夕方、肌に張り付くような生ぬるい風を浴びながら、あたしはアパートの自室にたどり着いた。

 東京でも残暑は長い。事務所でシャワーを浴びてきたけど、また汗が噴き出してきた。

 部屋の中に入れば、快適な風が迎えてくれる――なんてこともなく、ぬるい空気が停滞しているだけだった。

 一人暮らしだから当然だ。むしろ迎えられたら……うう、電気代を考えると恐ろしい。

 明るい室内を――明るい?


(あっ、カーテン開けっぱなしだった)


 別に問題があるとは思わないけど……女子の防犯意識としてはどうなのかな、あたし。

 ま、いっか。

 荷物を畳の床に投げ出して、机の上にあったクーラーのリモコンでスイッチオン。

 涼しい風と共に吐き出されるカビ臭さに顔をしかめながら、そのまま畳にスライディング。

 先にシャワーを浴びなおした方がいいんだろうけど、その前に少し休憩。

 横を見ると、大きな猫のキャラクターがあたしと一緒に寝転んでいた。

 キャッツ球団のマスコット、ねこっぴーの特大人形だ。


「今日もあたしはお疲れだよー、ねこっぴー」


 ポンポンと人形の頭を叩く。返事はない。ねこっぴーもお疲れのようだ。






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