932: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/04/06(木) 06:05:59.80 ID:GGWjuIRv0
「理解は追いつかねーけどな」
「結構なことだ。さて、エクス君。EVEのAIを解析するというのは、本来の山海の意見と変わらず、私も構わないのだがね」
山海のAIはそう言って指を鳴らすと、どこかで見たかのような剣と盾が現れ、地面に転がった。
「その覚悟を証明してもらう。この空間は、よくあるゲーム空間と同じでね。モンスターが出てくる、一般的なのとの違いは、殺されればもう戻れなくなることぐらいのものだ」
それは死刑宣告と同義だった。見た目の穏やかさとは裏腹に、ここは危険すぎるところ。確実性のある防御用のソフトも作れなかったエクスは、モンスターが出てきても防ぐ手段がないのだ。あえて言うなら、逃げることは可能だろう。しかし、遮蔽物もないこの空間で、逃げ出しても意味があるとは思えない。
「その剣と盾は何だよ。それで戦えってことか?」
「ご名答。さて、私の役割は君の案内役。この先にまっすぐ向かうと、小さな町がある。そこで、何をすべきか話を聞くことができるだろう」
俺はゲームをやりに来たんじゃないと、苛立たしげにエクスは声上げ、山海のAIは肩をすくめる。
「安心したまえ、EVEのAIはそのゲームを完了することで解析できる。保証しよう」
「……、悪趣味な野郎だな、あんた」
それは本来の山海沙維に言ってほしいものだと、山海のAIは呆れた顔をした。
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