1:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/17(土) 21:37:07.54 ID:CHRKUnfE0
「ごめんなさい」  
    
  「ごめんなさい、プロデューサーさん」  
    
  「こんな、はしたない」  
    
  「またこんな、夜這いを掛けるようなことを」  
    
  「優しい貴方が許してくれる。そのことに甘えて、また」  
    
  「ごめんなさい」  
    
  「また止められない。もう止めたくない。そんな私でごめんなさい」  
    
  「そして」  
    
  「そんな私を許してくれて……ありがとう、ございます」  
    
    
   言って、視線を下へ。  
    
   これを始める前、この秘め事へ浸る時、プロデューサーさんへ必ず贈っている約束の儀式。  
    
   夜、鍵の付いた仮眠室。付いていて、けれど鍵の掛けられていないその部屋の中へゆっくりと足音を忍んで入り、鍵を掛け。それから、スーツを脱ぎシャツも肌蹴た無防備な姿を許しているプロデューサーさんの上へ、四つ這いになって覆い被さる。――そうしてから贈る、謝罪と、そして感謝の言葉。  
    
   ごめんなさい。と、ありがとう。それらを贈って、そして、それから視線を下へ。  
    
   足元を――もちろん、四つ這いになっている自分の足元じゃない。顔のすぐ傍、あとほんの数センチ下へと身体を落とせば唇で触れられてしまうほどの近くへあるそこを、プロデューサーさんの足元を見る。  
    
   視界へ入れて、瞳へ映して、ぼうっと眺める。  
    
   見て、たっぷりと見て、じっくりと時間をかけて見て。  
    
   それから、する。  
    
   立てた膝はそのまま、けれど立てた肘は崩して。  
    
   上半身を沈める。動かさない下半身が上へ突き上がるように変化していくのを感じながら、同時に上半身は下へ。  
    
   お腹が、捲れた服から露になるくらい。胸が、敷かれたシーツに触れるくらい。唇が、プロデューサーさんの足先と繋がってしまうくらい。  
    
   下へ、身体を落として。そして始める。  
    
   口付けを。許してくれることに甘えて、そうして何度も何度も勝手に叶えてしまっている睦事を。愛を、嫉妬を、私を贈る儀式を。  
    
    
  「きらりちゃん……莉嘉ちゃん……みりあちゃん……」  
    
  「三人と、ショッピング……頑張ってるご褒美に、って少し無理をしてまでお休みを作って一日中……」  
    
  「あの皆と……あの皆のために、たくさん歩き回ったプロデューサーさんの……」  
    
    
   足先へ……足の爪先へ、まずは軽く口付けて。  
    
   何度か、私の唇に軽く触れ合っていただけのそこがほんのり潤いを帯びるくらいまで何度か繰り返して、それから少し深く。  
    
   薄く淡く、赤い舌が奥に暗く覗く程度に唇を開いて、そして今度は甘く噛む。  
    
   歯は使わず、そこにまでは至らせず、上下の唇だけではむはむ、と柔く甘く噛み挟む。  
    
   はむはむ、優しく味わうように。くぱくぱ、わざとリップ音が響くように。むにゅむにゅ、触れたまま踊らせ揉むように。  
    
   足先の、プロデューサーさんの身体の感触を、唇でいっぱいに感じて受け止める。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/17(土) 21:37:54.54 ID:CHRKUnfE0
 「ん、ふふ……」 
  
  
  食んで、噛んで、味わって。そうして繋がっていたプロデューサーさんの先がこつこつ、と。唇の奥の私の歯へと触れ、それが何度か繰り返されて、それを感じていた私はその何度目かで堪らなくなって。……だからやがて、いつも通り、その先へ進んでいく。 
  
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