13:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:03:24.73 ID:Sa18P+fH0
通夜の晩、親族どもでどんちゃん騒ぎがあった。
その中で俺がアイドルのプロデュースなんてことをやってることが話題になり、親父が小梅ちゃんの出てる番組はすべて見ていたことを知った。
14:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:04:23.57 ID:Sa18P+fH0
◇
担当アイドルの白坂小梅ちゃんについて話そう。
ウチの事務所は女神であったり自称天使であったりネコミミが跋扈しているが、小梅ちゃんもそれに漏れなく大変な美少女だ。
15:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:05:03.90 ID:Sa18P+fH0
のんべんだらりとやっていたら、小梅ちゃんとの距離がどんどん近くなった。
彼女のパーソナルスペースの狭さは意外だった。
小梅ちゃんは結構スキンシップの多い子で、ハグは基本だし、事務仕事をしていたらあすなろ抱きされる。
16:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:05:53.14 ID:Sa18P+fH0
「やっと、帰ってきたんだ……」
そう言ってはぐぅと抱きつくから、俺もはぐぅとやり返す。
17:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:06:39.16 ID:Sa18P+fH0
美人の笑顔がかくも恐ろしいものだとは。
背後にドス黒い怒りが見えて、身を固くする。
蛇に睨まれたカエルはこういう気分なのか。
18:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:07:12.34 ID:Sa18P+fH0
「どうして毎回注意してるのにすぐべたべたするんですか!」
「いやぁもう無意識っていうか」俺がそう言えば、ちひろさんは深いため息を吐いた。
19:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:07:45.89 ID:Sa18P+fH0
ちひろさんはぷりぷりしたままデスクに向き直り、キーボードをダダダダッと叩いている。
きっと俺の査定がダダダダッと下がっているのだろう。あゝ無情。
「小梅ちゃん、そろそろ袖を……これだってちひろさんに見られたらマズいから」
20:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:08:26.64 ID:Sa18P+fH0
◇
右往左往していた俺たちが一番最初にやりだしたのが、ネットの顔出しラジオだった。
顔出しラジオって、それってラジオなのか? まぁともかく、アイドルとして顔出ししていくのにも、一番ハードルが低いかと思ったのだ。
21:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:09:10.50 ID:Sa18P+fH0
「あそこは……ふ、二人の、愛の巣……だね……」
「時々思うけれど、小梅ちゃん俺のこと好きすぎない?」
22:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:10:17.08 ID:Sa18P+fH0
人気アイドルの仲間入りをしても、他のアイドルが頻繁に遊びに来ることなども相まって小梅ちゃんには欠かせない番組になっていた。
時々起こる怪現象も素敵なスパイスになって、しっかりオカルトファンも掴むことができた。
今でも収録中にポルターガイストが起こるのは日常茶飯事だ。
23:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:10:51.90 ID:Sa18P+fH0
◇
小梅ちゃんに連れられて、俺は今収録ブースの前にいる。
「それで、困ったことって?」
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