13:名無しNIPPER[sage]
2016/09/21(水) 23:49:14.83 ID:NE1RlzCI0
 ぺたぺたと足音を立てながら、今日も歩きます。 
 生温い風が髪を揺らしました。 
 僅かにですが、野草のような匂いを感じます。 
 この先には新しい世界が待っている、そう考えると期待が膨らみます。 
  
14:名無しNIPPER
2016/09/21(水) 23:49:51.49 ID:NE1RlzCI0
 なにせ、目標が目に見えたのですから。 
 少しずつ、本当に少しずつですが近付いているのが分かります。 
 今までとは違って、前に進んでいることを感じます。 
  
 時が流れているのです。 
15:名無しNIPPER
2016/09/21(水) 23:50:20.27 ID:NE1RlzCI0
 また少し距離が縮まります。 
 その膨らみは、山であることが分かりました。 
 どれほどの高さなのでしょう。 
 距離がある頃はあまり高くは見えませんでしたが、近付くほどにより高く見えます。 
  
16:名無しNIPPER
2016/09/21(水) 23:50:46.13 ID:NE1RlzCI0
 未だ知らぬもの。未知。 
 あの山にはどれだけの未知があるのでしょうか。 
 生温い風の中に、ほのかに何かを感じます。 
 今までに嗅いだことのない匂い。おそらくは、あの山からでしょう。 
  
17:名無しNIPPER
2016/09/27(火) 11:09:50.69 ID:S9r6NgOs0
 山を見つけてから、どれだけ歩いたのでしょうか。 
 私は、ようやく。山に辿り着くことが出来ました。 
 これが、植物の匂い。目の前には背の高い木や雑草が青々と茂っています。 
  
 そして、その草木の合間には、道。 
18:名無しNIPPER
2016/09/27(火) 11:10:17.17 ID:S9r6NgOs0
 足の裏にひんやりとした感触。 
 樹々に陽の光が遮られているからでしょうか。 
 この森自体の空気は冷たく感じました。 
 足の裏の、踏みしめた雑草はことさらに。 
  
19:名無しNIPPER
2016/09/27(火) 11:10:44.36 ID:S9r6NgOs0
 何度か繰り返すと、とても落ち着きました。 
 少し体が軽くなったように感じます。 
  
 傍にあった木に寄りかかって目を瞑ると、音がよりはっきりと聞こえます。 
 木々のざわめき、吹き抜ける風の音。 
20:名無しNIPPER
2016/09/30(金) 18:19:20.09 ID:7EFMOkWf0
 目を覚ますと、辺りの様子が少し変わっていました。 
 少し陽が射し、暖かくなったように感じます。 
 木々の隙間から空を見上げると、太陽が先ほどまでより少し昇っているのが分かりました。 
  
 木漏れ日が地面に複雑な絵を映し出し、揺れ踊るのが見えました。 
21:名無しNIPPER
2016/09/30(金) 18:20:40.66 ID:7EFMOkWf0
 私は再び歩き出しました。 
 きっと、この先には更に素晴らしいものがあると信じて。 
  
 木々の間、なだらかな勾配を持った道を登って行きます。 
 途中、水の音が聞こえました。 
22:名無しNIPPER
2016/09/30(金) 18:22:31.14 ID:7EFMOkWf0
 草木をかき分けて歩きます。 
 さっき歩いていた獣道と違って、誰も歩いたような跡のない道。 
 そう、未開拓の土地です。 
 そこを自分の足で広げていく、それはこんなにも楽しいことだったのでしょうか。 
  
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