過去ログ - 提督「嵐の山荘で」不知火「二人きりですか。では安価ですね」提督「なぜ」
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29: ◆vMSeYbSya.[saga]
2016/09/20(火) 03:49:29.83 ID:pmdsDHU50
翌日の朝。


提督「朝だな……」

 窓の外には嵐の気配は完全に消えうせ、雪が跳ね返す朝日がただただまぶしい。
 俺は着替えを済ませ、台所で朝食を作っていた。思えば、昨日は食事もせずに眠ってしまった。風呂にも入っていない。
 冷静に考えると、暖まるのにガスは使えたな。思いつかなくてよかった。

提督「えーっと、ベーコンエッグにトーストにサラダ。いかにも新婚っぽい朝食、なんちゃって」

 不知火はまだ起きていないようだ。
 後続の艦娘たちもまだ到着していない、というか、冷静に考えると雪山を登ってくるものだろうか。ちゃんと連絡をしたほうがいいか。

提督「まあ、とりあえず不知火を起こすか」

 俺は不知火の部屋へと歩いていった。何だかわくわくするね、このシチュエーション。
 幸せな気分で、部屋のドアを開けた。

提督「おはよう不知火、朝食が」
不知火「……」
提督「あ……」
不知火「おはようございます」
提督「ご、ごめん」

 謝って、あわててドアを閉める。……着替え中だった。
 なんというダメなラブコメだろうか。俺は人気を得るために、女性キャラクターの素肌を晒す恋愛系少年マンガはあまり好きではない。いやどうでもいい。
 下着姿の上に、シャツの袖を通す姿を頭から追い出す。深呼吸、深呼吸。

不知火「お待たせしました」
提督「お、おお。早いな」

 そんなことをやっている間に、不知火が部屋から出てきた。はずい。

不知火「朝食を用意していただけたのですか」
提督「ん? ああ、そうだそうだ。冷めないうちに食べよう」

 俺と不知火は並んで歩き始めた。

不知火「……そういえば、お互いに相手のために料理をしたことはありませんでしたね」
提督「そういえばそうだな」

 不知火にチョコレートをもらったり、そのお返しをしたことはあった。
 ただ、その時はお互いに市販品だったのだ。
 ……まあ、もらったチョコをネットで調べたらちょっと引くくらいの値段だったから、今思えば愛は篭っていた。お返しの品を探すのに苦労したなあ。
 そんなことを考えていると、不知火がなぜか不満そうな顔をしている。

不知火「……先を越されてしまいました」

 そうきたか。俺はそんな彼女が面白い。

提督「早起きは三文の得というわけだ。そういえば、告白したのも、過去を語ったのも俺が先だったな」
不知火「むっ……」

 さて、これ以外に先制を取れるものがあるかな。
 好きになったのは不知火が先だけど、それはあまり負けたって感じじゃない。勝ちというのもピンとは来ないけどね。

不知火「……まだ、あなたがしていないことはありますよ」
提督「ほう、なんだろうな」

 不知火に何をしてもらえるのか、今から楽しみだ。
 そして、俺たちは食卓に着いた。

提督・不知火「いただきます」

 不知火はサラダを食べた後、トーストにベーコンエッグと残ったサラダを挟んだ。
 俺はトーストを最初にナイフで切り分ける。その後にベーコンエッグを切っては黄身に漬け、トーストに乗せるスタイル。

不知火「変わった食べ方ですね」
提督「よく言われるな。不知火は、らしい食べ方だ」
不知火「どういう意味ですか?」
提督「君は君のままでいいってことさ」

 不審げな顔で、不知火はエッグサンドをばくりとかじる。かわいいなあ。
 笑って、調味料を取る。塩をかけた後、次は醤油と、味を変えながら食べるのが楽しい。
 目玉焼きはナントカ派、という人も多いが、俺からすれば何でもかけてみればいいところは見つかるものだ。

不知火「おいしいです」

 半分ほどエッグサンドを消し去ってから不知火が、いま気づいたようにつぶやいた。
 とても嬉しいけれど、そんなに凝ったものを作ったわけじゃないからこそばゆい。

提督「口にあったようで、よかった」


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