過去ログ - モバP「週の半ばの燃えない煙草」
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11: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/21(水) 20:07:02.64 ID:gVaw4GonO
男は溜息を1つ漏らしてから、呟くように語り出した。

「火のついてない煙草なんて、何の役にも立ちはしない。…まるで、インクの入ってない万年筆みたいなものだ」

男はそういった。寸分狂わず同じ喩えが出てきたことに少女は驚き、そして同時に少しだけ嬉しかった。

男は続ける。

「火のない煙草と、中身の無い万年筆。役に立たない以外でも共通点がある。……分かるか?」

「……うん…その、格好良い…とか…?」

何気なく言ったその答えだったが、どうやら男の欲しかったもので合っていたらしい。「そうだ。」と話を続ける男の様子を見て、少女は安心した。

「…要するにただの格好付けだ。一々気を遣ってばかりいたら自分が磨り減るぞ」

要するに「気を遣う必要は無い」というだけの話なのだ。それだけの会話にこれだけ長々と時間を掛けるとは、余程の阿呆か、何なのか。

そう思ったのは、男の方である。




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