過去ログ - モバP「週の半ばの燃えない煙草」
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12: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/21(水) 20:21:23.33 ID:gVaw4GonO
男はもう1つ溜息が漏れそうなのを今度は堪えて、仕事に戻ろうとした…が、まだ何か言いたげな少女が目に付き、回しかけた椅子を止めた。
「……えっと、その……その、ね」
普段から言葉を選びがちな彼女だが、ここまで言い淀むのはただそれだけではないだろう。
もしかしたら何か事情があってもう帰りたいのかもしれない。
そう考えた男は何も言わず次の言葉を待った。
そもそも仕事の区切りなど男の気持ちの問題であって、帰りたいのならそう言ってくれればいつでも送っていく準備は出来ていた。
どうしても気を遣ってしまうのは彼女の美徳だが、それで彼女が損をしてしまうことを、男は良く思ってはいなかった。
言い淀んでいた彼女だが、何も言わず次の言葉を待つ男に安心し、意を決して何とか言葉を紡いだ。
「…で、でも私は…その、格好良いと思う……よ…?」
男の表情が、ほんの少しだけ驚きの色を示した。
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