過去ログ - モバP「週の半ばの燃えない煙草」
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8: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/21(水) 11:54:11.60 ID:nh+vj4YoO
「…関、そんなに慌てなくても、俺は元々煙草は吸わないし、お前に気を使ってるわけでもないぞ」
男は表情1つ変えずに、呟くようにそういった。
「え、あ…っと…そ、そうなの…?」
少女は驚いたような、疑問は晴れたが新たな疑問が出てきたような、そんなスッキリしない顔をしていた。
「…いや、もちろん帰ると言うなら止めないが…どうやって帰るつもりだ」
「…どうやって……あっ」
そう問われて初めて、外の天気と自分の置かれている状況を思い出した。
レッスンを終え、いつもなら特に用事がなければここに長居することもあまりない彼女だが、今日ばかりはこのビルから出られずにいた。
窓の外は強い風と雨が飛び交っており、出歩こうものならば即座に濡れ鼠、傘など無力と言わんばかりの台風だった。
プロダクションからそう遠くない裕美の家だったが、この空模様では歩いて帰ることは困難である。
そこでプロデューサーから「一区切り付いたところで車で送るから、それまで待っていてほしい」という提案を受け入れ、今に至るのである。
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