過去ログ - モバP「週の半ばの燃えない煙草」
↓ 1- 覧 板 20
9: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/09/21(水) 12:06:05.12 ID:nh+vj4YoO
窓の外を見て、プロデューサーの顔を見て、それから申し訳なさそうに少女は再びソファに腰を下ろした。
結局自分がしたこととは、自分を送り届けてくれる男を急かしただけであった。
少女は思わず赤面し、顔を伏せる。
「えっと…ごめん、急かしてるわけじゃ、ないから…」
「ああ、分かってる」
素っ気ない返事だったが、少しだけ優しい響きがして、気が軽くなるのを少女は感じた。
しかし、相変わらず疑問は浮かぶ。
普段は吸わないというのに、何故今日ばかりはそんなものを咥えているのか。
そして、何故火を灯さないのか。
それはまるで、インクを入れていない万年筆を握っているようなものだ。と少女は思った。
「…気になるか?」
少女は思考に耽っているうちに、自然と視線が再び煙草へと吸い寄せられていた。
だからそう質問させてしまったことに少しだけ後ろめたさを感じながらも、少女は頷いた。
25Res/16.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。