過去ログ - 花丸「今日も練習疲れたなあ…。」
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10:名無しNIPPER[saga]
2016/09/21(水) 01:58:54.63 ID:M3FiOxds0
花丸「ふぅ…。」
長時間画面を見続けて、まだ頭がぐらぐらする。
結局3人とも怖がって、騒ぎすぎた様子を振り返り、くすりと笑う。
今日も楽しい放課後だった。
友達と映画。なんと素敵な響きだろうか。
ふわふわする気持ちの中に、一瞬だけもやが混じる。
花丸「マル、何で映画って言わなかったんだろう…。」
映画を見るという案は思いついたはずだ。
なぜ、却下したのだったか。
思いめぐらせて、はっとする。自分は、何ということを。
拘束時間。友達と過ごす時間にそんな言葉をあてはめた自分に嫌気がさした。
寒い夜空に黒い気持ちが絡みつく。
こんな時は本を読もう。
自分はそうやって、いつもいろいろな想いを、日々の出来事を、消化してきたはずだった。
だというのに本を開くと、たったの数分で気だるげな眠気が襲って来るのだった。
同じ行を何度も何度も読み直して、ようやく意味を把握する。
それも真っ白な薄い夢の膜に混ざって、次第に色を失っていく。
読めないことを認めたくなくて、何度も何度もページをめくって、戻して。まためくって――。
結局、ほとんど進まないまま本を閉じた。
自分の一部に拒絶されたような気分だった。
その晩、梨子に貸しているシリーズの3巻を鞄に入れた。
梨子も昨日は予定があったはずだから、読み終わってはいないだろうが、念のため。
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