43: ◆iCtkvfDqRw[sage saga]
2016/11/10(木) 18:25:24.74 ID:/Z18FT4UO
暁美ほむらの放つ、呪いよりもおぞましい力は結界内を魔力の奔流に包んでいく。
既に彼女は宇宙の外の認識に僕達の補助を必要としなくなっている。
世界を変える前の僕達は、その途方もない結末に呪いのエネルギーを諦めようとしたことさえあるという。
銀河系よりも広大な銀河群よりも広大な超銀河団よりも広大な大規模構造と法則の全てを内包する宇宙同士の衝突を回避するために、彼女は概念の力を集中させる。
暁美ほむらは僕達がこれまでに集めた呪いの力も消費しているが、用心深く、重要な部分では使うつもりがないらしい。
魔法少女との長い関わりの中には純粋に僕達に協力をするような物好きな魔法少女もいた。ぬいぐるみを操るその魔法少女の力がその呪いの力には含まれていたから、信用しないのは正解と言えたが。
僕達の計画は上手く行くか、どうか。
物質は光速に縛られるが、物質でないものは光速を簡単に飛び越えられる。
この宇宙で起きた大規模な奇跡を、少なくとも3回は数えられる。
原初から始まるインフレーションも、2回の世界の改変も、光速を越えて起きた奇跡だ。
暁美ほむらが持っている武器が悪と愛だというのなら、その力で宇宙を満たすことが出来るかどうか、試してみればいいんだ。
世界は二回の改変を受けた。
だけど、エントロピーの増大による宇宙の終焉を防ぐ計画そのものに支障はない。
この宇宙に存在する、条理を捻じ曲げる力の多くは暁美ほむらと鹿目まどかに集約されることになった。
だが、彼女達が宇宙の危機を見捨てず、そして救う力を持っているのならば彼女達に重要な役割を任せればいい。
現在、鹿目まどかはその力を封印され、暁美ほむらだけが大きな力を振るうことが出来る。
彼女が吹聴する悪と愛で宇宙を救うことが出来るというのなら試してみるがいい。
僕等がこの惑星に降り立った時から、星全体に満たされていたその感情を宇宙全体に拡散させることが出来るならやってみればいいんだ。
彼女が自分を貶めてでも、鹿目まどかの幸せがそこにあると思っているのなら。
節理を乱し、蹂躙する力を使って、宇宙だろうが次元だろうが遥かに越えて、やり遂げてみればいい。
彼女はひときわ大きく力の波動を出して──
その瞬間にノイズが流れた。
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