57: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 11:55:29.12 ID:9fHQez770
皮肉たっぷりに私は唇を引き延ばした。
「ご、ごめんなさい……」
彼女は質問に答えずに謝った。
58: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 12:53:50.13 ID:9fHQez770
泣くのは、天子の前だけって決めてたのに。
袖口でさっと目元を拭った。
ゆうがこちらを見上げていた。
互いに同じような顔をしていたかもしれない。
59: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 13:13:57.11 ID:9fHQez770
感謝の言葉をもらうようなこと言ってないんだけど。
「頭おかしいんじゃない」
「江梨香さんも……」
60: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 13:21:21.85 ID:9fHQez770
指なんてぷるぷるしてるし。
まるで私が脅したみたい。
「え、江梨香さん……」
61: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 13:27:52.03 ID:9fHQez770
ゆうを背負って、私は家まで行ってやった。
薄暗くて、人目もそこまで気にならなかった。
家のポストの前まで来て、
「ばあさんいるの?」
62:名無しNIPPER[sage]
2016/10/02(日) 13:31:06.55 ID:leuGpkrlO
まだまだ展開が気になる
63: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 13:59:31.93 ID:9fHQez770
ゆうがお茶くらい出すと言うので、私も相当体力を消耗していたし、お邪魔することにした。
ゆうの部屋で、じんじんと痺れてきた足をさする。
「まさか、江梨香さん、ここまで背負ってくれるなんて思わなかったよ」
64: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 14:21:17.47 ID:9fHQez770
「ねえ、天子さんてどんな人だったの?」
「肩、揉んでくれたら話す」
「うん」
65: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 14:28:46.65 ID:9fHQez770
「ゆう、手が止まってる」
「あ、はい」
「弱い。もうちょっと強く」
66: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 14:43:37.41 ID:9fHQez770
背中に柔らかい感触。
首元に腕がにゅっと伸びる。
ゆうが私を後ろから抱きしめていた。
「天子さんのこと好きだったんだね」
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