63: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 13:59:31.93 ID:9fHQez770
ゆうがお茶くらい出すと言うので、私も相当体力を消耗していたし、お邪魔することにした。
ゆうの部屋で、じんじんと痺れてきた足をさする。
「まさか、江梨香さん、ここまで背負ってくれるなんて思わなかったよ」
64: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 14:21:17.47 ID:9fHQez770
「ねえ、天子さんてどんな人だったの?」
「肩、揉んでくれたら話す」
「うん」
65: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 14:28:46.65 ID:9fHQez770
「ゆう、手が止まってる」
「あ、はい」
「弱い。もうちょっと強く」
66: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 14:43:37.41 ID:9fHQez770
背中に柔らかい感触。
首元に腕がにゅっと伸びる。
ゆうが私を後ろから抱きしめていた。
「天子さんのこと好きだったんだね」
67: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 15:14:45.40 ID:9fHQez770
私はその日、天子のツイッターを見なかった。
その夜を更けさせたのは、ゆうに抱きしめられた余韻だった。
翌週。
月曜日。
南合に捕まった。
68:名無しNIPPER[sage]
2016/10/02(日) 15:18:37.69 ID:p+af6MLro
これはいいな
応援する
69: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 18:16:17.82 ID:9fHQez770
>>67
誤:江梨香は悲劇のヒロイン 正:南合は悲劇のヒロイン
70: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 18:28:27.16 ID:9fHQez770
この女の支配下に置かれるのはうんざりだ。
ゆうに近づきたくなかったのも、全ては彼女の思う通りに事が運んで行ってしまうと知っていたから。
「わかった……行けばいいんでしょ」
71: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 18:40:20.35 ID:9fHQez770
その日の放課後。相変わらずバスケ部を無断欠勤して、ゆうを連れて天子の家に向かった。
途中、何か買って行こうか、とふと思い、私は隣にいるゆうの袖を引っ張った。
「どしたの? 江梨香さん」
72: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/10/02(日) 18:50:53.64 ID:9fHQez770
学校から徒歩およそ20分くらいの所に彼女の住んでいるマンションはあった。
付近の道を何度も通った。
ただ、インターホンを押したのは、もう何ヵ月も前の話。
「呼び出さないの?」
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