過去ログ - 大神「…もう決めたのだ。許せ」朝日奈「そんなの、嫌だよ…お願い、ドクターK!」カルテ.7
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647: ◆takaJZRsBc[saga]
2017/08/16(水) 01:25:41.84 ID:3WMVe0st0

死が目前に迫っているからだろうか。
それとも、今の舞園の瞳にあの時の輝きを見たからだろうか。

さほど昔のことでもないはずなのに、KAZUYAは懐かしさに目を細めた。


「桑田君が一緒に演(や)ろうって声をかけてくれて、苗木君が私の歌をもう一度聞きたいって
 後押ししてくれて……みんなで、私達の衣装を用意したりステージを飾り付けてくれましたよね?」

「本物のステージに比べたらずっと小さくて突貫工事だったけど、
 あの時は、今までのどんな舞台よりも緊張しました」

「…………」


本番前、珍しく舞園が弱音を吐いた時のことをKAZUYAは思い出す。


『先生……私、歌えるかな……』

『大丈夫さ。君は超高校級のアイドルだろう? 何度も練習してきたじゃないか』

『えっと、そういう意味じゃなくて……』

『?』


「……私が歌わないと駄目なんだ。私の歌が必要なんだ」

「そう思ったら、心をこめて歌えたんです」

「…………」

(そういえば、あの時は妙に不安がっていた。単に緊張していただけだと思っていたが……)

(そういうことだったのか……)


KAZUYAは舞園の秘めた葛藤を知り、得心した。




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