過去ログ - 神谷奈緒「芳乃様に叱られるから」
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7:名無しNIPPER[saga]
2016/09/23(金) 15:10:22.76 ID:Ml0TRzBmo
あたしはずぶ濡れで叫びながらテントに戻った。
半泣きで父さんに「幽霊がいた」と訴えたけど真昼間から出るわけないだろうと笑われた。
確かに夏の一番明るい時間にお化けなんて理屈に合わない。お化けに理屈が通るのかはさておき。
でも美城山はそういうのが出てもおかしくない場所だった。
背の高い木々が色んな所に薄暗い影を作ってて昼間でもかなり不気味だったから。
あたしはその時は心底帰りたくて仕方なかったけど、濡れた服を乾かしてる間に「気のせいだったかも」なんて思うようになってた。
そう思うと幼稚な自分をちょっと恥ずかしかった。
しばらく経ってお腹も空いてくると、バーベキューで肉を焼いてるうちに幽霊よりもご飯のことで頭がいっぱいになった。
それで家に帰る頃にはもうすっかり忘れてたんだ。
忘れてたのに。
奈緒「もしかして憑いて来たって事か……?」
あたしは頭を抱えてうずくまった。
いざこうやって正体不明の存在を目の当たりにすると、どんなに信じられない事でも信じてしまう他ない。
すると今度は最悪の事態を想定してしまう。
このまま幽霊に呪い殺されるか、取り憑かれて死ぬか。
「そのような事はしませんゆえー。安心されたしー」
奈緒「だから勝手に人の心を読むなって……」
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