過去ログ - 【ガルパン】逸見エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
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53:名無しNIPPER
2016/09/24(土) 03:05:07.62 ID:+3HHJ9Wn0
喫茶店から出て、鞄から携帯電話を取り出す。

電話帳を開き、「西住みほ」まで画面を移動させる。

一年振りね……この番号にかけるのも。

後は、ボタンを一回押すだけ。

……押す、だけ。

手が震える。

あと一回が、押せない。

本当に臆病なのは、私だけ。

土壇場で日和ってあの子を傷つけて、今もボタン一つ押せやしない。

……あの子は精一杯の勇気を振り絞ったのに、私は……私はぁっ!

『はい! これからよろしくお願いします! エリカさん!

脳裏に浮かんだのは、あの子が初めて見せた笑顔。

謝らなくてはいけない。

この一年分。

いや、それ以上に。

指は震えたまま。

それでも良いから、動け。

渾身の力を込めて、ボタンを押した。

プルルルル……プルルルル……プルルルル……

コール音が三回、重なるごとに心臓が破裂しそうになっていく。

四回目の途中で、ガチャ、と音が鳴った。

『エリカ、さん?』

震えた、か細い声。

……また、傷つけてしまった。

謝らなくてはいけないことが一つ増えた。

「…………今から、会えないかしら。2人きりで。アナタに、言わなきゃいけないことがあるの」



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