過去ログ - 【ガルパン】逸見エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
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52:名無しNIPPER
2016/09/24(土) 03:02:54.36 ID:+3HHJ9Wn0
「……はい。西住殿は、とても強いお方です。ですが」
「とてもお優しくて、だからこそ、人に頼ることを知らないんだと思います」
「私達の前でも弱音は吐かなかったし、表情にもあまり出さなかった。が、中では色々考えて、感じている人だ。西住さんは」

……そう。

それは、私も知っている。

あの子は……みほは、臆病で、優しくて、傷つきやすくて、その癖、自分からは誰にも頼ろうとはしない。

頼り方を知らない。

誰よりも、強い子だ。

溜息一つ、深呼吸一つ。

私はテーブルに片手を突いて立ち上がり、小梅の目を見た。

「小梅」
「はい、エリカさん。いってらっしゃい」

小梅は分かっています、とでも言いたげに、いつもの人当たりのいい笑顔を浮かべて頷いた。

……この子にまで見透かされている。

自分に嫌気を感じながら、大洗の子達に視線を向ける。

「ごめんなさい、急用が出来たわ。黒森峰でのあの子のことは、この赤星に聞いて頂戴」
「おう。早く行ってやれ。また傷つけたら許さんが」
「……ええ」

私は急いでその場を立ち去ろうとしたが……一度立ち止まって、彼女達に向き直った。

「ねぇ、アナタ達。私が言えた義理ではないけど、あの子のこと、よろしく頼むわよ。アナタ達の方が知ってるんでしょうけど、戦車を降りたら危なっかしい子だから」
「「「はい!」」」
「おう」

彼女たちのことは何も知らないが、いい子達なのだろう。

みほの心を開いたのだから。


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