過去ログ - 藍子「ゆっくり止まっていく」
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23: ◆6QdCQg5S.DlH[saga sage]
2016/09/25(日) 23:43:16.23 ID:TbFOIgDP0
藍子「……最初にお母さんがゆっくりになったとき、救急車を呼びました」

藍子「けれど『どういう状況かわからない。治し方も検討もつかない』という結論でした」

藍子「……だって、止まった人たちは動きが遅くなっているだけで、生きていましたから」

藍子「じっと見ていると、時たまゆっくりと瞬きをしたり。手がぴくりと動いたり、歩こうとしたり……」

藍子「死んでいるわけでもなければ眠ってるわけでもなく、かといっていつもどおり動いているわけでもなく……」

藍子「……うまく言葉にできませんが。みんなみんな動きが遅くなっているだけなんです」

朋「……」

藍子「……次にお父さんがゆっくりになったときも、同じ結論でした」

藍子「次の人も、その次の人も……」

藍子「……そうして、いつしかこの店は呪われているといわれるようになったんです」

藍子「仲良くしていた常連さんも頼りにしていたスタッフさんも、この店に寄り付かなくなりました」

藍子「たまにくるのはそのうわさを知らない人と物珍しさで寄り付く人」

藍子「……でも、後者の人たちも自分達と一緒に来た人が動かなくなったのを見て、それを拡散して」

藍子「……そして、ここはとても静かなお店になったんです」

朋「……なるほどね」

朋「だから、今は藍子ちゃん一人なんだ」

藍子「はい……あ、でもゆっくりになった皆さんはここにいます」

藍子「病院から追い出されたので……」

朋「……」


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