過去ログ - フレデリカ「最後のデートごっこ」
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10: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/09/28(水) 00:42:30.35 ID:/4HhEtAk0
既に十月に差し掛かっているからか、太陽は既に水平線に吸い込まれ始めている。
ざざん、ざざんと紅い波が足元まで詰め寄っては引いて。
カモメの鳴き声は大きく、けれどきちんと伝わるように。
改めて、言い直した。
「…そっかー」
一呼吸おいてから、静かに。
そう、フレデリカは返した。
「本当にすまない…二人三脚で、って約束。守れなくて…」
「カッコいいセリフだねー、そんな事今初めて言われたよ」
「…多分言ってなかった気がする」
言ってなかったなら言わなければ良かった。
いや、人生で一度は言ってみたかった台詞だったからいいけれど。
恥ずかしいったらありゃしないが、大体夕陽が誤魔化してくれるだろう。
店にいたら即死だったけれど、何とか致命傷で済んだ。
けれど、何故か。
フレデリカの方が、笑顔なのに哀しそうな表情を浮かべいて。
場違いなのは分かっていても、とても綺麗だ、と。
心から、そう思った。
「フレデリカの負担が増える事はそんなに無い筈だから、安心してくれ」
淡々と、坦々と続ける。
伝えなければならない事が、まだあと二つ残っているのだ。
「…そっかー、残念だねー。折角トップアイドルのプロデューサーに成れるチャンスだったのに」
「…ん?まぁいいか、次なんだが…」
これは、何方かと言えば良い話。
特に難なく続けられる。
「フレデリカには、今後あるユニットとしても活動して貰う。メンバーは…後で、書類渡すから」
絶対、上手くやっていける筈だ。
ユニット名は、まだ決まっていないけれど。
このユニットを提案したのは、他でも無い自分なんだから。
上手くいかなかったら桜の木の下に埋めてくれても構わない。
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